広陵に〝スーパー1年生〟只石4安打4打点 「絶対センバツに出たい」
「秋季高校野球広島大会・1回戦、広陵4-1近大福山」(24日、鶴岡一人記念球場)
1回戦8試合が行われ、2年連続のセンバツ出場を目指す広陵が2回戦に進出した。スーパー1年生、只石貫太捕手が4安打4打点と活躍し、夏の広島大会4強の近大福山に勝利した。今夏の甲子園に出場した盈進は広島新庄に0-4で敗れて初戦敗退。今大会は地区予選を勝ち抜いた32チームが参加し、上位4チームが秋季中国大会に出場する。
おいしいところを全部持って行った。チームを堂々と引っ張る姿は、1年生であることを忘れさせる。「5番・捕手」でフル出場した只石が、勝負どころで輝いた。最大の見せ場は同点の七回1死二塁。「(先発の高尾)響を助けるために追加点を」と左中間へ勝ち越しの適時二塁打で期待に応えた。
二回先頭で左翼線二塁打。五回に先制の左前適時打を放ち、1点リードの九回はこの日4打点目となる2点左前適時打。中井哲之監督(60)は「怖い物知らず。どこに出しても恥ずかしくないぐらいバットが振れる」と、思い切りの良さに非凡さを感じ取る。守っては1年生エース・高尾響投手とのバッテリーで相手打線を最少失点に封じた。
大阪府出身で小6時には阪神タイガースジュニアに選出されたポテンシャルの持ち主。1年生ながら広陵の正捕手というポジションを担い「重圧はすごい」と苦笑する。それでも「先輩方が優しい。そのおかげで学年は関係なく、自信を持ってやれています」と周囲に感謝した。
旧チームは夏の広島大会で、10年ぶりの3回戦敗退。2年連続のセンバツ出場へ、闘志はみなぎっている。「3年生の分までやり返すという気持ちで絶対センバツに出たい」と只石。涙をのんだ先輩たちの思いが原動力。若き扇の要が、名門校を秋の頂点へと導く。
◆只石貫太(ただいし・かんた)2006年8月7日生まれ、16歳。大阪府守口市出身。177センチ、77キロ。右投げ右打ち。捕手。よつば小1年時に藤田ブルーファイターズで野球を始め、6年時に阪神タイガースジュニアに選出された。大久保中では吹田シニアに所属。広陵では1年春の中国大会からベンチ入り。遠投105メートル。