「栃木国体・高校野球・１回戦、聖光学院６－４九州学院」（２日、宇都宮清原球場）

　特別競技の高校野球硬式１回戦は４試合が行われ、ヤクルト・村上を兄に持つ九州学院・慶太内野手（３年）が逆方向へ豪快弾を放った。試合には敗れたものの「村上慶太の兄と言わせるように」とプロでの活躍を誓った。今春のセンバツを制した大阪桐蔭は、今夏の選手権大会を制した仙台育英（宮城）を破り、準決勝に進出。国学院栃木、聖光学院、下関国際が４強に駒を進めた。

　兄をほうふつとさせる弾道に球場がどよめいた。村上が豪快な同点ソロを放つなど４打数２安打３打点と躍動した。チームは敗れたものの「（高校）最後（の大会）なので、とにかく楽しんでやろうと決めていました。楽しかったです」と笑みを浮かべた。

　１点を追う五回。先頭で打席を迎えると２ボールからの３球目、外角寄りの速球を捉えた。逆方向に放たれた打球は低い弾道で左翼フェンスを越えてスタンドに飛び込んだ。

　今年１月に「ムネ兄」から「可能性があるなら挑戦しろ」と助言されプロ志望届を提出する覚悟を決めた。「自分のプレーで村上慶太の兄と言わせるように頑張りたいと思います」と誓うその表情には一点の曇りもなかった。