日本ハム1位指名は日体大・矢沢 大谷に続く二刀流育成へ 稲葉GM「走・攻・守、投」評価
日本ハムは11日、千葉・鎌ケ谷市内でスカウト会議を行い、ドラフト1位で投打二刀流の日体大・矢沢宏太投手(22)を指名することを決定した。会議後に公表した稲葉篤紀GM(50)は「走・攻・守、投と各部門においてポテンシャルも高い」と投打両面を評価。エンゼルス・大谷翔平投手(28)を育てた球団が新たな“二刀流”を育て上げる。また、西武は早大・蛭間拓哉外野手(4年・浦和学院)の1位指名を公表した。
公表しないはずが、公表した。「決まりました。1位は日体大の矢沢選手でいきます」と稲葉GMが明言。大渕GM補佐兼スカウト部長は公表に踏み切った理由を「具体的には言えませんが、ここからの波及効果があるので」と明かした。
左腕から最速152キロ。さらに長打力に50メートル5秒台。球団は、プロでも二刀流挑戦という本人の強い意志も確認した。稲葉GMは「走・攻・守、投と各部門においてポテンシャルも高い。球団の方針であるナンバーワン、オンリーワンである選手をぜひ獲得していきたい」と強調した。
エンゼルス・大谷を育て、二刀流育成には実績がある。矢沢については大渕スカウト部長は「大谷みたいな使い方は考えにくいですけど、新庄監督ならいろんな工夫を考えてくれると思う。何となく道が見える」と言う。外野手として出場、リリーフとして登板する新たな二刀流像もあるかもしれない。
新庄監督はかつて矢沢について「僕の考えでは野手でお金をもうけた方がいいかなとは思う」と話していた。だが会議後の報告を受けて「わかりました。よろしくお願いします」と了承したという。
抽選になった場合、新庄監督がくじを両手で引く予定。抽選箱の穴の大きさはくじ経験のある川村社長に確認し「『(両手で)いけるんじゃないか』と言っていました」と、こちらのシミュレーションも完了。新たな二刀流を引き当てる。
◆矢沢 宏太(やざわ・こうた)2000年8月2日生まれ、22歳。東京都町田市出身。左投げ左打ち。投手。173センチ、70キロ。山崎小入学前の年長から町田リトルで野球を始めた。忠生中では町田シニアでプレー。藤嶺藤沢高では1年夏に外野手でベンチ入りし、同年秋からエースを務めた。日体大では2年秋に外野手、3年秋に投手、4年春に指名打者でベストナインを獲得。50メートル走5秒8、遠投115メートル。