千賀が160キロ超連発 逆襲1勝貢献 ソフトバンク崖っぷちもエースが意地
「パCSファイナルS・第3戦、オリックス0-3ソフトバンク」(14日、京セラドーム大阪)
「2022 パーソル クライマックスシリーズ パ」のファイナルS第3戦は、勝てなければ敗退となるソフトバンクがエース・千賀滉大投手(29)の七回途中無失点の力投で一矢報いた。序盤から160キロ超を連発し、オリックス打線を牛耳った右腕。足のアクシデントで降板となったが、真価を見せつけた。
勝たなければシーズン終了-。いつも冷静なエース・千賀ですら「(登板前日の)夜に明日先発だな、と思ったのはすごく久々だった。それぐらい違った1日だった」と珍しく緊張していた。
ただこの重圧に奮い立つのがエースだ。8回3失点で白星を挙げたファーストS第1戦から中5日だったが「飛ばしていたというよりは、僕の中でメカニクスが本当に合っていた」と序盤から最速161キロを含む大台超えを連発した。
五回は、直前の攻撃で味方がスクイズを失敗して無得点。「そこだけで試合の流れが壊れたら、チームの士気が一気に下がる」と出力を上げた。1死から13日に本塁打を放った杉本をフォークで空振り三振に仕留めるなど三者凡退に抑え、立ちはだかった。七回途中無失点とオリックス打線を黙らせてチームに待望の1勝をもたらし「(甲斐)拓也のリードに応えられた」と笑う。
全力投球の代償で、七回途中に両脚がつって交代となったが、絶体絶命のチームを勇気づける熱投だ。藤本監督は「3勝3敗に持ち込めば、第6戦で「中に入る予定」とエースのブルペン待機を明言した。ファイナルS史上、一度もない崖っぷちから4連勝という“奇跡のドラマ”へ仲間を信じて待つ。