セパの王者は好対照 今年はどっちが勝つ?日本シリーズの見どころを高代氏が解説

 ヤクルトが連覇を達成するか、オリックスが雪辱を果たすか。プロ野球日本シリーズは22日からセ・リーグの本拠地(神宮球場)で始まるが、昨年と同じ顔合わせとなった頂上決戦の見どころは?デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏が“キーマン”を挙げながらシリーズの行くへを推理した。

  ◇  ◇

 投手力のオリックスと攻撃力のヤクルト。この一般的な見方に私も同感ですね。なので個人的な関心も加えながら、何点かにポイントを絞って推理していきたいと思う。

 オリックスの投手力はチーム防御率2・84が示す通り、疑う余地がない。日本を代表する大エース山本の存在は何より心強いし、山岡や宮城もいる。

 さらにこのチームの強みはリリーフ陣の充実だろう。防御率1点未満の阿部や宇田川らが台頭し、投手陣のレベルは昨年を上回っている。

 とにかく力のあるボールを投げる投手が非常に多い。私が阪神の2軍コーチをしていたころ、大きな背番号をつけた若い投手のスピードボールに目を奪われたものだ。順調に伸びてきている選手が多いのかな。山崎颯一郎も速いね。

 このオリックス投手陣をヤクルト打線がいかに打ち崩すか。対決の構図は昨年と同じ。ロースコアに持ち込みたいオリックスに対し、ヤクルトがどう応じるかにある。

 昨年はヤクルトの4勝2敗で終わった。実は私の予想は「4勝2敗でオリックス」だった。マクガフ投入で2度失敗したのは想定外だったが、ヤクルトに先発陣の弱さを感じたのがその根拠だった。ところが、そんな不安を“チーム力”でカバーした。

 今年はいっそう強化されたオリックスの投手陣vsヤクルトの“組織力”に注目したいね。

 ヤクルトというチームは気がついたらチャンスを作っているという印象が強い。

 例えば無死一塁の好機を作ったケースで、この走者を一塁にクギ付けにしたまま終わることが少なく、可能な限り三塁へ到達させている。これをやられると暴投、失策は禁物となり、守備側の精神的負担は増すばかりだ。

 大味な野球をするチームはそのまま一塁に残塁となることがよくある。「ノムラの考え」が浸透しているということだろうね。

 本塁打数はリーグ1だが、四球数もリーグ1。これは村上以外の選手もボールをしっかり見極めている証拠でもある。しぶとい野球に一層磨きがかかっている。

 次に攻撃面で両チームのカギを握る選手に中川圭太と山田の名前を挙げてみたい。ほかでもない4番を打つ主砲の前に座る3番打者だ。

 中川圭太はこれまで、力がありながら1年を通して1軍で活躍できずにいたが、ようやく“ポジション”を得た勢いのある選手。かたや山田は実績十分ながら、今年は力を出し切れていない。この両者の働きが勝負に直結しそうな気がするね。

 そして石川vsオリックス打線。これも興味がある。昨年は第4戦で6回を3安打1失点で勝利投手となった石川をどう攻めるか。

 単純に“低めを捨てて高め狙い”と指示して攻略できる投手ではないからね。昨年のデータをどのように分析しているのか。楽しみにしたい。

 さて結論だが、打力を投手力で補うオリックスと野球巧者のヤクルト。力は五分五分と言わざるを得ない。推論はできても占うのは難しいね。申しわけないが、どっちが勝つか分からないというのが正直なところです。

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