巨人1位候補 高松商・浅野の魅力を解説「金属バット特有の打ち方ではない」内田順三氏の視点
プロ野球のドラフト会議が20日に行われる。超目玉不在で各球団の1位候補が分かれる傾向の中、注目のひとりは高松商・浅野翔吾外野手。すでに巨人が1位指名することを公表している。将来のスター候補の魅力について、多くの強打者育成に携わったデイリースポーツウェブ評論家・内田順三氏が解説する。
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まず目を引くのはあの体。上背はないが、太ももの太さひとつを見ても、筋力と体力が圧縮されたような体形をしているよね。
打撃に関して技術的なことを言えば、トップの位置からミートまでが速い。ヘッドが下がらず距離も最短で、リストの強さも感じさせるね。
かつて巨人・阿部がそうだったように、うまく内転筋を使いながら上半身と下半身をツイストするように打つから、バットがしなるように出てきて、広角に打球を飛ばせる。プロ入りして木製バットに苦労する選手もいるが、彼はバットが内側から出ているし、金属バット特有の打ち方ではない。追い込まれていても、ストレート、変化球ともに対応できているし、高校生の中で質が高いね。
イメージで言えば、同じ香川県出身の中西太さん、今でいえばメジャーのアルトゥーベのようだよね。アルトゥーベも170ないと思うが、ホームランもあるパワーヒッター。どういう指導をされてきたのかは分からないが、下半身と上半身をうまく連動させて打球を飛ばす能力がある。
巨人にとっては、魅力的な存在だろうね。今は日本人野手で長打力のある右の外野手がいない。投手は若手のレベルアップを感じるが、野手を見るともうひとつのところがある。浅野は走攻守とそろっており、もし獲得できたならかつての松井、岡本のように3、4年かけて育成していくことになるだろうね。
甲子園で活躍していたが、ここで一発かますんじゃないかと期待されているところでゴーンと打ってしまうスター性もある。かつての清原もそうだった。次世代のスター候補として、楽しみな存在だね。