【解説】オリックスの勝ち越しはなぜ幻に?公認野球規則 投球のボールデッドは「1個の進塁」

 延長12回、三塁に戻される佐野皓(撮影・堀内翔)
 延長12回、抗議のためにベンチを出る中嶋監督(撮影・堀内翔)
 12回、木沢の暴投したボールを追いかける中村(撮影・高石航平)
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 「日本シリーズ・第2戦、ヤクルト3-3オリックス」(23日、神宮球場)

 オリックスの勝ち越しシーンがまさかの幻となった。

 延長十二回、2死二塁からヤクルトバッテリーの暴投で代走・佐野皓が一気に二塁からホームインしたかに思われた。だが一塁側を転々としたボールはダッグアウトへ。ボールデッドとなり、生還したはずの佐野皓は三塁へ戻された。これには中嶋監督もベンチを飛び出したが、判定は覆らなかった。

 公認野球規則の5・06「走者」の(H)には「1個の塁が与えられる場合」として「打者に対する投手の投球、または投手板上から走者をアウトにしようと試みた送球がスタンド、またはベンチに入った場合、競技場のフェンスまたはバックストップを越えるか、抜けた場合。この際はボールデッドとなる」と明記。補足説明として「投手の投球が捕手を通過した後、ダッグアウト、スタンドなどボールデッド個所に入った場合、および投手板に触れている投手が走者をアウトにしようと試みた送球が前記個所に入った場合、1個の塁が与えられる」とされている。

 つまり投球がボールデッドとなった場合は1個の進塁のみ。仮にボールがベンチに入らなければ、佐野皓の生還は認められていた形となる。ダッグアウトまで転がるか否かで、大きく明暗が分かれるシーンとなった。

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