プロ野球創設期の名投手、沢村栄治を記念した「沢村賞」の選考委員会（堀内恒夫委員長）が２４日、都内のホテルで開かれ、オリックスの山本由伸投手（２４）が２年連続の全会一致で選出された。２年連続での受賞は１７、１８年の巨人・菅野以来、史上６人目。今季も投手４冠を達成するなど圧巻の成績を残した右腕はさらなる高みを目指すと誓った。

　文句なしの２年連続受賞。山本しかいないと、誰しもに思わせた。「２年連続で選んでいただいて、素直にうれしく思います」。球界のエースと称される右腕に、また一つ称号が加わった。

　今季も圧巻の成績だった。１５勝５敗で防御率１・６８、２０５奪三振を記録し、史上初の２年連続で投手４冠を達成。沢村賞の選考基準となる７項目中、１０以上の完投数、２００以上の投球回を除く、５項目をクリアした。

　好成績の要因は「一日一日を大切にして、真剣に練習、調整をして、毎試合必死に投げた結果だと思います」と冷静に自己分析。「一年間を評価してくれる賞なので、やりがいを感じます」とも話した。

　昨年の同賞受賞会見では、ノーヒットノーランに意欲を見せた。その快記録も見事に達成。昨季の成績より全体的な数字は下がったものの、確実に投手としてレベルアップしている。山田久志委員も「今年もまた山本が突出していた」と最大級の評価だ。

　２２日の日本シリーズ・第１戦で左脇腹に違和感を訴え、緊急降板。第６戦以降の先発も不透明だが、飽くなき探究心は変わらない。「より高みを目指して、もっといい投手になるために、もっともっと野球と向き合いたいと思います」と山本。進化はとどまることを知らない。