オリックス 3連勝で26年ぶり日本一王手 吉田正敬遠に燃えた!ラオウ怒りの先制V撃

 「日本シリーズ・第6戦、ヤクルト0-3オリックス」(29日、神宮球場)

 「SMBC日本シリーズ2022」第6戦が神宮球場で行われ、オリックスが接戦を制して通算成績を3勝2敗1分けとし、1996年以来26年ぶりの日本一へ王手をかけた。0-0で迎えた六回に、杉本裕太郎外野手(31)が先制適時打。直前に吉田正が申告敬遠で歩かされた直後、5番が意地と執念の詰まった一打を放った。

 静かな闘志を秘めて、打席に向かった。グッと表情を引き締め、マウンドをにらみつける。目の前の打者が申告敬遠されても、杉本は冷静だった。「心の準備はできていた。落ち着いて打席に入りました」。駆け巡る感情を抑え、バットに全神経を注いだ。

 両軍無得点の六回2死二塁。目の前で吉田正が歩かされた。レギュラーシーズンでも何度もあった光景。「敬遠されると思っていたので」と、もう慣れたものだ。

 カウント2-1から、内角の142キロ直球をコンパクトにスイング。今季、苦しめられてきたしつこい内角攻めを見事に攻略してみせた。先制の決勝右前適時打。一塁上で右拳を突き上げ、ベンチにピースサインで満面の笑みを浮かべた。

 自身に求めたのは「振りすぎないこと」。強靱(きょうじん)な肉体で、すさまじいパワーはある。だからこそ、軽く振るだけでも打球は飛ぶ。自らに言い聞かせ、直球は球威を利用して飛ばすことを意識。それを体現してみせた。

 第2戦はボテボテの適時内野安打。必死に全力疾走した。第4戦は1-0の大接戦で決勝の適時打。今シリーズのチーム初勝利を呼び込んだ。やはり、ラオウの一振りはチームの勢いを加速させる。

 試合前には円陣で声出しも担当。「とうとうヤクルトと並んで、2勝2敗(1分け)です。あと2勝でアレなんで、あと2勝して、アレして、みんなで御堂筋パレードしましょう!」と鼓舞。「岡田監督のまねをしました」と、阪神新監督が「優勝」の代名詞として使う言葉でナインを笑顔にさせた。

 中嶋監督は「勝つポイントになるのかな」と、吉田正の後を打つ杉本をキーマンに指名。吉田正を「日本一の打者」と尊敬する杉本もそれは理解している。「監督が正尚の後で僕を使ってくれてる以上は、そういう(キーマンという)こと」。打線を引っ張る覚悟はできている。

 チームは3連勝でついに王手をかけた。過去のデータで、日本一の確率は約76%。「手の届くところまでは、日本一が来ている」と杉本。さぁ、悲願の日本一へ。あと1勝だ。

 ◆V確率76% 過去72度の日本シリーズで、3勝2敗(1分け含む)は45回。うち34回は日本一になっており、確率は約76%。

 ◆シリーズ8四球 オリックス・吉田正が今シリーズ8個目の四球で、うち故意四球は3。シリーズ最多四球は67、76年の巨人・王貞治の9。同最多故意四球は71年の巨人・王貞治の5。

 ◆新人の初打席初安打 オリックス・野口が日本シリーズ初打席初安打。19年ソフトバンク・甲斐野央以来。

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