イチロー氏 女子高生との試合「限界まで」に観客拍手 松坂氏も継続参加を約束

 ファンに手を振ってグラウンドを後にするイチロー氏(撮影・堀内翔)
 1回、一塁に送球する遊撃手の松坂大輔氏(撮影・堀内翔)
 2回、マウンドに集まるイチロー氏(左)、松坂大輔氏(右)らKOBE CHIBENナイン(撮影・堀内翔)
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 「KOBE CHIBEN7-1高校野球女子選抜」(3日、東京ドーム)

 マリナーズなどで活躍したイチロー氏(49)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が率いる草野球チーム「KOBE CHIBEN」と高校女子選抜に逆転勝ち。イチロー氏は131球1失点完投、14奪三振を奪う力投だった。

 西武やレッドソックスで活躍した松坂大輔氏は4番・遊撃で4打数3安打1打点。イチロー氏とともに真剣勝負を繰り広げた。

 昨年に続く、女子高生との対戦。男子、女子にこだわらず野球界への普及に尽力するイチロー氏にとって、この試合にかける思いは強い。

 試合中は笑顔なく、真剣勝負。イチロー氏は「女子高生たちの大きなモチベーションになったらいいなと。僕がピッチャーで130キロくらい、女子だとなかなか投げられないと思うんですよね。でも、そのいいバランスでこのゲームができる。今日は松坂選手も加わってくれて、さらに、女子高生たちが新たにこういうステージがあるのは意義があることになるんではないかと信じて戦いました」とうなずいた。

 その思いは女子高生にも届いており、作新学院・沢田は「小さい頃に見てたイチローさんが自分の近くにいるのにビックリしている。小さいころの自分に野球続けて良かったなと言いたい」と感激。イチロー氏から殊勲の三塁打を放った、福知山成美・森崎は「イチロー選手のバッティング練習をマネしたら、ヒットが出た。イチローさんのおかげ。一生忘れられない」と満面の笑顔だった。

 49歳で131球を投げ抜く、常人離れした体力。イチロー氏は自身の投球については「ボロボロです」と自虐的に苦笑い。それでも、「この試みは僕自身もアスリートとしての限界をみられるいいチャンス。今日もボロボロになるまでやろうと。これが現役の野球選手だとできない。毎日限界を迎えたいと思いつつなかなかできることではないんですけど、今日は今日の限界を見たような気がして、すごく気持ちで気持ちよかった」と充実の表情だった。

 松坂氏は「今年初めて参加させてもらい、イチローさんの情熱と、女子高生たちと初めて対戦して熱量、熱さ、それを見て全力で応えたいと。この試合に参加することがモチベーションになると思って。一年間かけて体を作って臨みたい」と、早くも来年の参加を表明。

 イチロー氏が「このゲームを松坂選手がモチベーションにしてくれるのは僕もうれしい。大リーグ、西武に入った時もこれは手ごわい相手だなと。将来は同じチームでできたらなという夢があったので、これを続けていけたらいいですね」と語ると、大きな拍手がわき起こった。

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