イチロー氏「感無量」女子高校選抜と真剣勝負 131球完投 打は4の0も「充実感」
「KOBE CHIBEN7-1高校野球女子選抜」(3日、東京ドーム)
米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチロー氏(49)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が率いる「KOBE CHIBEN」が3日、東京ドームで女子高校野球選抜チームと対戦した。現役ラストゲームを行った19年3月21日以来の東京ドームで、2安打1失点14奪三振の完投。打撃は4打数無安打に終わったが、女子高生との真剣勝負に充実感を漂わせた。
2019年に現役ラストゲームを行って以来の帰還だ。イチロー氏が思い出の東京ドームで全力プレー。駆けつけたファンは1万6272人。大きな拍手で迎えられ「こういう形で帰ってこられて感無量」と感謝した。
女子高生と本気の真剣勝負を繰り広げた。「9番・投手」で先発出場。初回に先制点を許したがその後は安打1本に抑え、2安打1失点で完投。七回には3者連続三振に斬るなど毎回の14奪三振。「ぼろぼろです」と最速134キロ、131球を投げ抜いた。ただ打撃は4打数無安打と完敗。八回無死満塁で一ゴロ併殺に倒れると、フェンスをたたいて悔しがった。
仲間のミスも見逃さない。三回1死一塁で一走の松坂大輔氏が、右飛で一塁を飛び出してしまい併殺に。攻守交代ですれ違う際には「すみません」と謝る松坂氏のお尻を軽くたたき、“お叱り”する場面もあった。
しかし、試合が終われば表情は一変。約1時間、質問に丁寧に答えるなど、笑顔で交流し、最後は女子高生からのお願いで即席サイン会が開かれた。
「すごく良い空気の中で野球ができて、でも真剣勝負で。なんともいえない充実感があります。何より大事なことが女子高生の3年生たちにとって、このゲームが目標になるような取り組みでありたい」とイチロー氏。今後も女子野球界のさらなる発展に尽力する。