「侍ジャパン強化試合、日本５－４日本ハム」（５日、東京ドーム）

　打球速度の速い痛烈な一打が、左翼線を襲った。四回、先頭の日本ハム・江越大賀外野手（２９）が石川の直球を捉え、二塁打で出塁。一時は逆転する猛攻の突破口となった。

　「まっすぐが速いピッチャー。そのスピードを生かして打てたかなと思います」。

　阪神から移籍直後にフェニックス・リーグに参加。新庄監督に力を入れず軽く振って芯に当てる打撃を伝授された。この日の一打も「フルスイング？していないです」。それでいて火を噴くような一打だった。

　新庄監督も笑顔で解説する。「インパクトの瞬間に強く振ろうとしすぎる癖があったと思う。ツーベースは振っていない。芯に当てる意識だけしかなかった。ミートのテクニックというか、そういうのをね、分かってもらえれば」と短期間での変化を感じ取っていた。

　「すごく良い感じ、感覚がある」。江越も伝授された新庄流打法に手応えあり。「軽く振るというか、体の全部の力を抜いてしまっていた。下半身はしっかりと踏ん張るというか、こういう感じかなというのはつかめてきたのかなと思う」と話し、「もっともっと無意識でできる形までやりたい」と誓った。

　試合前には近本、佐藤輝らと対面。「久しぶり、頑張れよという話はしました」。かつての仲間にはエール。自身は新天地で覚醒を期す。