大阪桐蔭・前田悠伍は安定感抜群 秋季近畿大会決勝で志願の完封星 高い野球センスに強い責任感
10月20日に今年のドラフト会議が終わり、各球団のスカウトは来秋へ向けて準備をスタートさせた。高校生のドラフト候補は豊作だ。今回は、センバツ出場が濃厚な注目選手を紹介する。早くも1位候補とされるのが、大阪桐蔭のエース・前田悠伍投手(2年)だ。最速151キロ右腕・専大松戸の平野大地投手(2年)も注目。報徳学園の堀柊那捕手(2年)は、強肩強打で将来性を期待される。
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しなやかな投球フォームから力強いボールを投げ込んでいく。球の質、投球のテンポ、マウンド度胸など、高校2年生とは思えない高いセンスを感じさせる。大阪桐蔭の前田は、早くも来秋ドラフトで1位指名が期待される素材だ。
最速148キロで、カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシームと多彩な変化球を操る。元阪神・岩田や阪神・藤浪ら多くのプロに進む投手を育てた西谷浩一監督(53)は「気持ちも強く、ただ投げるだけでなくピッチングができる。試合を作れる投手」と能力の高さを評価する。
大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。新チームから背番号1を背負う。紀三井寺球場での秋季近畿大会の1回戦・神戸国際大付戦では、NPB12球団のスカウト陣が視察した中、9回を4安打3失点、8奪三振で完投。「全力で投げていない。6割くらい。最後まで投げるつもりだった」と、要所を締める投球で確実に試合を作り、勝利をつかんだ。
自ら志願して登板した決勝の報徳学園戦では、抜群の安定感を披露。9回を3安打無失点、1四球、9奪三振で完封勝利。「自分が優勝に導くという気持ち強かった」と強い責任感を持ったマウンドで仕事を果たし、神宮大会出場に導いた。
絶対的エースとして存在感を示すが、まだまだ成長過程だ。「全体的にレベルアップしないといけない」と前田。ひと冬越え、さらなる進化が楽しみだ。
◆前田悠伍(まえだ・ゆうご)2005年8月4日生まれ。滋賀県長浜市出身。180センチ、78キロ。左投げ左打ち。小2から野球を始め、オリックスジュニアに選出。高月中時代は湖北ボーイズでプレーし、1年時にカル・リプケン12歳以下世界少年野球日本代表で世界一を経験。最速148キロ。球種はカーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム。