「１２球団合同トライアウト」（８日、楽天生命パーク宮城）

　今オフ戦力外通告を受けた選手ら４９人が参加し、実戦形式のシート打撃に臨んだ。再起を目指す選手たちのプレーに、各球団の編成担当者が熱視線を送った。

　全選手のプレーを見たデイリースポーツ・関本四十四氏は持ち味を発揮していた選手に言及。「まず目についたのは楽天・渡辺佑樹。左のサイドに転向して２年目というが、巨人・高梨のようなタイプで、球団によっては左対策で使っても面白い。まだ転向２年目で２７歳なら、伸びしろもあるかもしれない」と語った。

　この日、渡辺佑は最速１４１キロの直球とキレのある変化球を駆使し、ロッテ・西巻を空振り三振、日本ハム・宮田を三ゴロ、楽天・マーキを二ゴロに仕留めた。今季は１３試合に登板して防御率２・１３だった。

　関本氏は巨人２投手についても言及。桜井は最速１４８キロだったが、「１５０は出る投手だし、やっぱり今日見た中では、他の投手と比較してもいい球を持っている。ただ、以前も言ったが綺麗な球で打ち取ろうとせずにボールの出し入れを意識できれば、まだやれる可能性はあると思う」とした。

　１死一塁から併殺も取った井納については最速１４７キロで切れ味鋭いスライダーで空振りも奪った。この日は投げるタイミングがなかったフォークも武器で、関本氏は「頭数の少ないチームなら、先発にリリーフと使い勝手はいい。３６歳という年齢をどう見るかだが、今日の投球を見てもまだ体は元気だろう」とした。

　他に、関本氏が評価したのは中日・佐藤優、阪神・守屋のリリーフ右腕。「佐藤は１４７くらい出ていたし、いいフォークもある。守屋も今日の投球で８０％と言うくらいなら、体を絞れば戦力になれるかもしれない」と語った。

　打者では経験豊富な広島・安部と、長距離砲の楽天・内田。安部は１安打、内田は痛烈な左翼線二塁打を放つなど、存在感を見せた。関本氏は「安部は内野手が足りないチームのピースになるかもしれないし、内田はやはりあのパワーは魅力。環境が変わればどうなるか。指導者の先入観なく白紙の状態でプレーしたらどうなるか、と考える球団もあるかもしれない」とした。

　昨年は参加者３３人の内、トライアウト後にオファーがあったのは日本ハムの古川侑のみ。今年は狭き門を突破する選手はいるのか。