日本ハムが新球場問題で謝罪 経緯説明「公認野球規則の解釈、認識が不十分であった」
日本ハムは14日、北海道・北広島市に建設中の新球場「エスコンフィールド北海道」が、公認野球規則に定める規定を満たしていない問題について謝罪するとともに、対応策などの報告文を発表した。
この日の12球団代表者会議で、「謝罪と現時点で検討している本件への対応案を説明しました」と報告。謝罪するとともに、今後の具体案についても説明した。
日本ハムが発表した具体案などの文書は以下の通り。
「株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント(以下、「FSE」)が北海道北広島市に建設し、2023年3月に開業を予定している「ES CON FIELD HOKKAIDO」(以下、「エスコンフィールドHOKKAIDO」)において、『本塁からバックストップまでの距離、塁線からファウルグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は、60フィート(18.288メートル)以上を必要とする』と記されている公認野球規則の『2.01競技場の設定』を満たしていないのではないかとの指摘を受けている件(以下、「本件」)につき、FSEと当球団にて対応について協議を行い、当球団より本日11月14日(月)の12球団代表者会議の場で、謝罪と現時点で検討している本件への対応案を説明しました。
具体的には、FSEにおいて2023年シーズンオフ以降に公認野球規則の基準に合致したスタジアムとすべく、設計会社や施工会社と改修計画を進めていくという内容で、これを条件に2023年シーズンの当球団のエスコンフィールドHOKKAIDO使用についてNPBと11球団の同意を得ました。
本件が発生した原因として、FSEおよび当球団において公認野球規則の解釈、認識が不十分であったことが挙げられ、もっと早期に本件について自ら気付き、関係各所に相談すべきであったと受け止めております。このような事態を招きましたことを、プロ野球界に関わる方々、エスコンフィールドHOKKAIDOの開業を楽しみにして下さっているファンの皆様へ、心からお詫び申し上げます。
【経緯について】
エスコンフィールドHOKKAIDOの本塁からバックストップまでの距離が50フィート(15.18m)で設計され、NPBから日本の公認野球規則の基準を満たしていないと指摘があり、11月7日(月)の実行委員会において日本野球規則委員会等に事前の確認をとらず、進め方が適切でなかった点をお詫びしました。すでに建設工事は開業を4か月後に控えて最終段階を迎えており、来春までの改修が現実的でないことを説明しましたが、NPBならびに他球団から問題が解消できるか否かの判断材料を示すよう求められました」
(独自の解釈が生じた背景)
「今回、エスコンフィールドHOKKAIDOの設計を担当した米国設計会社HKS社[本社:アメリカ・テキサス州]より、米国の公認野球規則(OFFICIAL BASEBALL RULES)に準じたMLBにおいては問題がない旨の説明を受けました。OFFICIAL BASEBALL RULESの原文を確認し、本塁からバックストップまでの距離として記載のある60フィートは推奨(recommend)と解釈しました」
◆川村浩二代表取締役社長兼オーナー代行
「このたびのエスコンフィールドHOKKAIDOの規格の問題につきましては、ファンの皆様や関係者の方々にご心配をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます。
エスコンフィールドHOKKAIDOは、『ファンの喜び』や『新しい観戦スタイル』をコンセプトに、MLBの球場設計について実績のある米国の設計会社にFSEから設計を発注するなど、MLBの事例を参考にした臨場感のある球場作りを進めてまいりましたが、日米の規則の差に関する確認や相談が不十分となるなど、そのプロセスに問題がありました。そのため、本日の12球団代表者会議にて、謝罪とともに、公認野球規則の基準に合致するための2023年シーズンオフ以降の改修計画案をFSEと協力して進めることなどを説明し、当球団がエスコンフィールドHOKKAIDOで2023年シーズンを開幕することおよびその後の使用を認めていただきました。
当球団は、2023年の開幕に向けてしっかり準備を進めていくとともに、野球界の発展、ファンサービスの進化のために今後も尽力していきます」