日本ハム新球場問題 球団の甘さ否めず 米国「推奨」日本「必要」ズレた問題の論点
日本野球機構(NPB)と12球団は14日、臨時12球団代表者会議を開き、日本ハムが北海道・北広島市に建設中の新球場「エスコンフィールド北海道」が、公認野球規則に定める規定を満たしていない問題について協議。日本ハム側が今回の件について謝罪した上で23年オフ以降での改修計画案を提示し、来季の公式戦での新球場使用が特例で認められることになった。デイリースポーツの野球担当記者が、この問題の本質について解説する。
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日本ハムの新球場問題。この話題が大きな広がりを見せる中で、問題の論点がズレていった印象を受けた。
確かに米国の野球規則では日本の「必要とする」ではなく「recommended(推奨する)」と記されている。ただ、日本の公認野球規則は米国を参考にはしているが、プロ・アマの規則委員が日本に合った形で独自に作成している。米国の規則を単純に翻訳したものではない。
7日の実行委員会で日本ハム側は米国の野球規則の解釈を根拠に説明したが、あくまで守るべきは日本の公認野球規則であり、これをもって規則に反して良いとはならない。
逆に説明材料を示したということは、どこかのタイミングかで事態を把握していたということか。「何とかなる」という甘さがあったことは否めない。
時代に合わなくなった規則の改定には賛成だ。臨場感ある球場が増えることも望ましい。ただ、それは今回の一件とは別の問題。日本ハムは認識の甘さから高い代償を払うことになった。(デイリースポーツ・中田康博)