巨人・原監督“人的補償”長野への本音4年越しに明かす「当時29番目でまさかという」
広島から無償トレードで巨人に移籍した長野久義外野手(37)の入団会見が15日、原監督同席のもと都内で行われた。背番号は7となった。
5年ぶりの古巣復帰。ルーキーイヤーの監督でもある原監督は、ユニホームに袖を通した長野の肩を抱き寄せ、写真におさまった。
会見では「本日めでたくジャイアンツ長野また誕生ということになりました」と満面の笑顔。そして、19年1月に巨人がFAで獲得した丸佳浩の人的補償で広島に移籍した際の心境を、4年越しに明かした。
「元々NPBのルールの中でFA制度、28人プロテクトの中で彼が当時、29番目であり、その事実、広島球団はその中から選んで、広島カープ、長野が誕生したというところでした。誕生したときはまさかという気持ちもありましたが、長野は認められる選手だと、ただFAという制度の中でややルール上仕方ないと思いつつも、少し悔しい思いをした」
原監督は19年1月に長野のカープ移籍が決まった際はその思いを口にせず「勝負の世界は足し算ばかりではない。引き算もある。『答え』が出たときに、どういう結果を残すか」と、勝負師として冷静に語っていた。
そして、カープからの打診で長野が戻って来た。「本日めでたくジャイアンツ長野また誕生ということになりました。経緯等々は皆さんがおわかりのところだと思いますが、今回夏過ぎ、秋に入ろうかというときにカープ球団から長野の話が出ました。我々も考え、ぜひジャイアンツに戻って、一員として戦ってもらおうと、今日が誕生したわけです」と、うなずいた。
ただ、思い入れのある選手のひとりとはいえ、しっかり線も引いた。「レギュラーになってもらうこと。それが1番の教育。心技体という中でレギュラーを獲得するのは相当強いものがないと取れません。勝負の世界ですけど、先輩だから、あるいは情けをかけながらということは私はしないと思います」。そう語る原監督の隣で、長野も決意に満ちた表情を浮かべていた。