広陵のボンズ弾!真鍋2年連続神宮花火 “脱”村上打法で高校通算48号
「明治神宮大会・高校の部・2回戦、広陵6-2東海大菅生」(19日、神宮球場)
高校の部2試合、大学の部2試合が行われた。高校では前回大会準優勝の広陵が2年連続の4強入り。プロ注目の“広陵のボンズ”こと真鍋慧(けいた)内野手(2年)が高校通算48号ソロを放つなど打線をけん引した。今夏の甲子園で優勝した仙台育英は、九回に4点差をひっくり返す逆転サヨナラ勝ちで準決勝進出。大学では国学院大が準決勝、名城大が準々決勝に駒を進めた。
高々と舞い上がった白球が、神宮の野球ファンをどよめかせた。これぞ4番の一撃。真鍋が鋭いスイングから放った打球は、大きな放物線を描いて右翼席へ飛び込む高校通算48号ソロとなった。
「弾道の高い、いい打球だった。一発で捉えるようにしようと意識して、いい角度で捉えられました」
3点リードの七回無死だった。右腕が投じた初球、内角寄りの直球を強振。完璧に捉えた打球は軽々と右翼フェンスを越えた。
同世代の花巻東・佐々木、九州国際大付・佐倉とともに世代屈指の左の大砲として注目され、“広陵のボンズ”と称される強打者。だが、今秋の中国大会は打撃不振に陥った。8打数2安打、打率・250でノーアーチ。これまではヤクルト・村上の打撃フォームを参考に、構えた時に大きくバットを引いていたが、合わなかったため小さくした。ようやく飛び出した一撃に「神宮大会で出たのはとてもうれしい」と笑みを浮かべる。
高校生活の一大イベントを断念して今大会に臨んでいる。当初、2年生は15~18日まで東京方面などへ修学旅行の予定だった。だが、真鍋は「神宮大会は高校生活で2回しか出られない。ディズニーはいつでも行ける」とキッパリ言い切った。
昨年の同大会は準決勝・花巻東戦で3ランを放って勝利に貢献したが、決勝は大阪桐蔭に敗れて準優勝。「神宮で負けたことは、神宮でしか返せない」。昨年の悔しさを晴らすために、目の前の一戦に全力を注ぐ。(井上慎也)
◆真鍋 慧(まなべ・けいた)2005年6月17日生まれ、17歳。広島市安芸区出身。右投げ左打ち。内野手。189センチ、93キロ。みどり坂小1年時に瀬野ソフトボールクラブでソフトボールを始め、瀬野川東中では安芸リトルシニアに所属。広陵では1年夏からベンチ入り。50メートル6秒3、遠投105メートル。