DeNA・藤田 CS終戦ヘッスラ併殺の心境激白 「今でもまだ引きずってます」

CS第3戦の9回、1死満塁で代打・藤田が二ゴロ併殺打に倒れてゲームセット=10月10日、横浜
 CS第3戦の9回、1死満塁で代打・藤田(左下)が二ゴロ併殺打に倒れてゲームセット。一塁手大山=10月10日、横浜
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 143試合のペナントレースにおいて、デイリースポーツ記者の心に残った試合、場面を振り返るオフ企画『一投一打』。DeNA担当の中田匡峻記者は、藤田一也内野手(40)が最終打者で終えた、CSファーストS10月10日の阪神戦(横浜)を挙げた。シーズン最後となった当時の心境、そして成し遂げたい「夢」についての思いをつづった。

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 決死のヘッドスライディングも、わずかに届かなかった。立ち上がれなかった藤田。そして、シーズン終了のゴングに、ナインたちはぼうぜんとグラウンドを眺めた。

 藤田はこの場面を「満員の横浜スタジアムで打席に立てて、あの場面で使っていただいて、あの声援をもらった時は鳥肌が立つ思い、何とかチームのためにという思いで打席に立ちました」と振り返った。

 1点ビハインドで迎えた九回。全員でつなぎ、粘って、1死満塁と一打サヨナラのチャンスを作った。ここで「代打・藤田」がコールされると、球場のボルテージはMAXに達した。だが勝負は一瞬だった。初球、甘く入った直球を藤田は振り切った。痛烈な当たりも二塁手の正面へ。4-2-3の併殺打でゲームセットとなった。

 契約更改の席で藤田は“引退”という言葉は使わなかったが、最後の場面を振り返り「自分も考えることはすごくあった」と話し、「今でもまだ引きずっています」と本音が出た。だがナインの言葉、今季加入した大田の「大丈夫ですか」の連絡には「すごい励みになった」と語った。

 12年以来、10年ぶりの古巣復帰に「ファンの前でプレーできる喜びを感じています」と笑顔だった。しかしシーズンは33試合の出場で打率・250、5打点に終わり「悔しいシーズンになった」と唇をかんだ。

 だが藤田は既に19年目のシーズンを見据えている。夢をかなえるために、横浜に帰ってきたからだ。「横浜で優勝したいというのが一番なので、優勝するまで引退したくない気持ちでいるし、もし来年優勝したらもしかしたら『引退する』と言うかもしれないですし。でも優勝して現役を終わりたい」。横浜愛を貫くチーム最年長男は、最高峰の頂に向けて走り始めている。

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