ヤクルト村上 遅くとも26年メジャーOK 球界史上最速年俸6億円到達&ポスティング容認
今季、史上最年少で三冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手(22)が9日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3億8000万増となる年俸6億円の3年総額18億円プラス出来高払いでサインした。条件の中には将来的なメジャー移籍となるポスティングを容認するものも含まれ、遅くとも26年シーズンのメジャー挑戦が可能に。来季は球団初のリーグ3連覇に挑戦していく覚悟だ。(金額は推定)
目の前に広がった大きな夢、野望。村上が夢だったメジャー挑戦を、自らの力でたぐり寄せた。「本当に球団には感謝しかありません。でも僕の実力が伴わないとアメリカにも行けませんし、もっともっと頑張るぞという気持ちになっています」。ヤクルトから世界へと羽ばたく道筋ができた。
3年総額18億円プラス出来高の大型契約。その中にはチーム最高年俸、球界史上最速の6億円到達という金額だけでなく、村上の夢が詰まっていた。通称25歳ルールが大きな壁となり、若年でのメジャー挑戦は見送られることが多い。だからこそ球団は3年契約を結び、25歳以上となる26年シーズンで容認。またルール変更時の注釈もつけ、その場合は25年シーズンから海を渡ることを認めた。
メジャーは、村上にとって憧れの場所だ。プロ入り時から、「そういうところに挑戦できる権利を得られたら、もちろん先の舞台にいきたい」と胸に秘め、結果を出し続けてきた。だからこそ、残された日本で過ごすわずかな時間で恩返ししたい気持ちは強い。
今季、いくつもの偉業を打ち立て見据える来季へ。目指すは球団としていまだ成し遂げられていないリーグ3連覇だ。「ヤクルトの歴史の中で3連覇、歴史を残したい」。視線はもう、23年シーズンを捉えている。
今季成し遂げた史上最年少三冠王や満票MVP。ただこれは通過点に過ぎない。「もう一回鍛え直して、もう一度優勝して、日本一になって喜びたい」と村上。強い意志に導かれるように、夢へと真っすぐに進んでいく。
◆メジャーの国際選手獲得規定 メジャーでは「海外プロ野球選手」を「25歳以上でMLBが認める海外リーグで6シーズン以上プレーした選手」と定義している。この定義から外れる選手を米国、カナダ、プエルトリコ以外から獲得する場合は、各球団の国際ボーナスプールの枠内(最低475万ドルだが、トレード可能なため各球団で総額は異なる。上限は約1010万ドル)で契約金などを支払う。村上は25年シーズンオフまでこの規定となり、市場価値に見合う契約ができない。17年オフにポスティング移籍したエンゼルス・大谷は、メジャー1年目は24歳だったため「25歳ルール」に該当(その後改定されたため現行ルールと異なる)。年俸は55万ドルで当時のレートで約6330万円だったため、日本ハム時代(推定2億7000万円)から減俸となった。