リーグ最低だった巨人投手陣は大丈夫?頼みの綱は外国人補強か~高代氏の見解

 目立った補強のない巨人は果たして来季、巻き返せるのか。不安視されるのが防御率リーグ最低(3・69)に終わった投手部門。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は若手左腕、井上温大投手(21)の台頭に期待しながらも、「外国人補強が頼みの綱なら来年も苦しい」と語る。

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 このオフはFA宣言選手が少なかったこともあり、静かなストーブリーグだね。目玉だと思っていた西武の森もあっさりとオリックスに決まったし。

 FAと言えば巨人というイメージだが、森に関して巨人は動いていなかったのかな。内部事情は知らないが、仮に動いていたのなら寂しいね。

 さて巨人の現状を考えると、最大の課題は投手陣の整備ということになるのだろう。チーム防御率が昨年の3・63(リーグ4位)からさらに下がって3・69(同6位)に落ち込んだ。再建は急務で真っ先に補強したい部門であるはずだ。

 ここまでの一番大きな補強はドラフトでしょう。そのドラフトでは1位指名を即戦力投手ではなく、高校生外野手の浅野(翔吾=高松商)にした。それほどの逸材だというのは分かるけどね。

 ただ来季の投手陣を思うと、先発は菅野、戸郷、山崎伊以外、赤星ぐらいしか名前が浮かんでこない。

 リリーフも大勢へつなぐまでの投手で安定した働きを見せているのは高梨ぐらいか。故障の関係もあり、ここ何年か同じようなメンバーで苦しい継投を強いられている。このあたりも気になるね。

 今季は初勝利投手が7人出たという景気のいいニュースが話題になったが、年間通してコンスタントに成績を残すことはできなかった。山崎伊が後半、先発で勝てるようになったのはよかったが、病み上がりの堀田には厳しかったようだ。

 そういう意味で巨人の投手陣の層は薄いと言わざるを得ない。野球は投手。投手力が充実しているチームがやはり強い。

 若手投手の中で、最も大きな期待が寄せられているのは来季、4年目を迎える井上だろう。左腕からキレのあるボールをテンポよく投げる。ヤクルトの同じ左腕、高橋に似たタイプだね。

 今年初勝利を挙げ、秋のフェニックスリーグでも結果を出し、侍ジャパンとの強化試合でも好投していた。何としても一本立ちしてほしい投手だろう。とはいえ、ほかに名前が出てこないのがつらいところ。

 オフに入って巨人はデラロサ、ビエイラ、メルセデス、アンドリース、シューメーカー、クロールという6人の助っ人投手をバッサリ切った。新しく先発候補としてタイラー・ビーディという右腕の獲得が発表されたが、今後さらに追加補強されていくに違いない。

 この外国人投手の補強策が、来季の巨人の命運を握っていると言ってもいいのではないか。巻き返せるかどうかは、その成果次第だろうね。

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