巨人移籍のオコエ 第一印象は「秋山タイプ」も待ち受ける現実は-内田順三氏の視点

 今年初めて実施された現役ドラフトで、巨人が楽天のオコエ瑠偉外野手を獲得した。15年度ドラフト1位で入団しながら伸び悩む25歳。新天地でその才能は花開くのか。幾多の名選手を育成した内田順三氏(デイリースポーツ・ウエブ評論家)は「チャンスはそうない」と厳しい現実を予想しながら、自身の考えや特徴を見つめ直すべきと助言した。

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 新人の時にファームで実際に見たが、体が大きく、スピードやパワーもあり、肩も強い。秋山タイプだなと思ったし、ファームにいる選手の中でも将来が楽しみな存在だった。

 では、なぜここまで飛躍できていないのか。ドラフト1位で彼ほどの期待があれば、ファームでも1軍でもチャンスは与えられているはずだし、首脳陣は我慢して起用してきたはず。そこで結果が出ていないというのは、よく言われるようにメンタル面に課題があるのかもしれないね。

 彼のコメントに「心機一転」という言葉があったが、ジャイアンツでも相当厳しい立場になる。チームに手薄な右の外野手で未知数なところもあって巨人は獲得したとは思うが、チャンスはそうないだろう。外野には丸、外国人選手がいて、実績ある選手では松田や長野、梶谷、松原、重信、石川、立岡などもいる。

 もちろん、新しい環境で新鮮な目で見てもらえるということはあるとは思うが、ルーキーの浅野とはワケが違う。8年目の選手となれば結果が求められるし、守備なのか、足なのか、自分が活躍できる場所はどこなのかを見つけにいくことが必要だろうね。

 彼とは実際に話したことはないけど、石井監督が「考えが甘い」とマスコミを通じて言っていたことがあったでしょう。首脳陣がマスコミの前でそこまで言うのはよほどのことで、彼も謙虚に自分自身を見つめ直さないといけない。性格を変えるのは難しいだろうから、気持ちを変えないといけない。

 心機一転、出直すにあたり、もう一度原点からスタートする意味でも中学や高校のグラウンドを訪れることもいいだろう。巨人には阿部や二岡もいるから、外から見ていた彼の印象を話してあげることも必要だろうね。まだまだ変化できる要素は十分にある。

 最後に現役ドラフトの制度についていい制度だとは思うが、アメリカと日本とでは選手層が違う。アメリカでは似た制度のルール5ドラフトで移籍して、殿堂入りやオールスター出場の選手もいるようだが、日本では活躍したのか、厳しいのか、移籍選手の結果も見て手直ししていく必要があるだろうね。

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