吉田正尚 メジャー移籍1年目で異例のWBC出場 招集見送り基本線も本人直訴で一転
米大リーグ・レッドソックスに移籍する吉田正尚外野手(29)が、今年3月に開催される第5回WBC出場メンバーに選出されることが決まった。侍ジャパンの栗山英樹監督(61)が5日、日本ハムのプロフェッサーとして出席した「エスコンフィールド北海道」の竣工式で明言。メジャー移籍1年目では異例の出場となった。日本人大リーガーの出場表明は、エンゼルスの大谷らに続いて4人目。“最強JAPAN”で世界一奪回に挑む。
吉田が下した異例の決断を、栗山監督は「彼の夢」と表現した。メジャー移籍初年度の出場。新しい環境への適応を優先するのが一般的なだけではなく、レッドソックスとは総額9000万ドル(約124億円)の大型契約を結んだ。そんな状況下の参戦表明に指揮官が交渉の一端を明かした。
「WBC日本代表に選んで出場してもらいます。いろんなことを含めて彼の魂が本当にそこにあった。それだけの魂があるなら力を借りるしかないので」
昨年末から複数回の対話。「今年メジャーに行く選手に関してはしっかり準備をして。正尚のために選んじゃいけないと思っていた」と、基本的には招集を見送る方針だった。だが、吉田自身が出場を熱望し、球団にも出場を直訴。意志を尊重した形の結論で、指揮官は「それ(代表出場)も彼の夢だと言ってくれた」と感謝した。
合流時期については現在調整中だが、「なるべく早めに合流してもらうお願いはしている」とし、日本ラウンドからフル参戦させたい意向だ。
日本人大リーガーの出場表明はエンゼルス・大谷、パドレス・ダルビッシュ、カブス・鈴木に次ぎ4人目。日系人でカージナルスの外野手、ヌートバーも招集する方針で、国内外の超一流選手が栗山JAPANに集う。