侍ジャパンの栗山英樹監督（６１）が１１日、緊急でリモート会見を開き、３月に開催される第５回ＷＢＣ日本代表として米大リーグ、カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手（２５）を招集することを明言した。本人からも出場の意思があった。

　１月１１日。１が並ぶ「特別な日」に、新たな歴史の一ページを刻んだ。日系人の日本代表選出は初。母が日本人で、出場資格を持つヌートバーとは、これまで複数回のオンライン会談。「アイ・ラブ・ユー」と熱意を伝えると、「喜んで受けます」と返答があった。

　２１年にメジャーに初昇格すると昨季は１０８試合に出場。打率・２２８、１４本塁打、４０打点と結果を残した。選出理由について「プラスアルファを生み出す選手。勝つため、世界一になるため」と話す一方、「スポーツは国籍を超える。子供の時に一緒に遊んでいた人と、戦争なんかする気なんて起こらないでしょ」と説明。世界情勢を憂い、ボーダーレス社会の願いを込めた。

　「直接話したら、もう１００％で全員が好きになる。そんな愛すべき人柄だし、魂を持った選手」。これで外野は右翼に鈴木、左翼に吉田とオールメジャーリーガーの豪華布陣だ。無限の可能性を秘める逆輸入選手が、侍ジャパンの悲願に向けカギを握る。

　◆参加条件　以下、７つの出場資格のうち、いずれかに該当すればＷＢＣ大会に参加が可能。・当該出場国の国籍を有する・当該出場国の永住資格を有する・当該出場国で出生している・両親のどちらかが当該出場国の国籍を有する・両親のどちらかが当該出場国で出生している・当該国の国籍またはパスポートの取得資格がある・過去のＷＢＣで当該国の最終ロースターに登録されたことがある。

　◆ラーズ・ヌートバー（Ｌａｒｓ　Ｎｏｏｔｂａａｒ）１９９７年９月８日生まれ、２５歳。米国出身。１９１センチ、９５キロ。右投げ左打ち。外野手。エルセグンド高、南カリフォルニア大を経て２０１８年ＭＬＢドラフト８巡目でカージナルスと契約。２０２１年６月にメジャーデビュー。メジャー２年目の２２年は２桁となる１４本塁打をマーク。