故障明けの広島・床田に2ケタ勝利の期待大 北別府氏「守備に対する意識もいい」

 昨シーズン中に右足首を骨折し、8勝に終わった広島・床田寛樹投手(27)の復活登板が待ち遠しい。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「監督の信頼を得ることのできる選手の1人。最低でも2ケタ勝利を」と語り、キャリアハイ更新の活躍を期待した。

  ◇  ◇

 ケガをしたDeNA戦は8月3日。順調なら10勝は挙げられたシーズンだっただろうから、床田にとっては本当に痛かったね。

 今年はケガの回復具合を見ながらの調整になるだろうが、ストレートの走りやキレがどこまで戻っているのかキャンプが終わるまでは未知数。

 でも早い段階でローテの一角に食いみ、最低でも2ケタ以上の勝利を期待している。昨年の投球を見れば、それが可能と思えるレベルに来ていると思うからね。

 返す返すも昨年は後悔の残るシーズンになった。あの試合は一ゴロを打って一塁へ走り出したときに、体のバランスを崩したようだった。これが原因で右足を骨折してしまったけど、あれは防げるケガの部類に入ると感じた。

 打球が転がったことで、反射的に全力疾走しようとしたのだろうが、床田は打者走者の前に投手であることを自覚しておくべきだったと思う。

 得点圏に走者がいて少し焦ったのかもしれない。バランスを崩しながらもスタートを切ろうとしたのかな。アウトでもいいと思えなかったんだね。

 いずれにしても、ケガをして戦列を離れることになったらチームに迷惑をかけるし、最悪、自分自身の選手生命に影響するかもしれないのだから。

 ケガをしないというのは難しいが、まずそれが大前提。投手の仕事は“投げて抑える”こと。そして1年間、故障することなく投げ抜くこと。そのためにもキャンプを最高に仕上げて新しいシーズンを迎えてほしい。

 床田の考え方で感心するのは守備に対する心がけにある。その意識は投手陣の中でも群を抜いているからね。そこは他の投手も見習ってほしいと思う。

 今年はグラブを新調し、扱いやすい小ぶりのものを使うらしい。打球処理がスムーズになるというのがその理由だとか。キャンプで使って調整するのだろうが、いいことだと思うよ。

 守備への意識が薄い投手は投球後の姿勢が高く、打者に背中を見せたりして簡単に足元をゴロで抜かれてしまう。勢い余って捕球体勢が取れていない場合も同様。結局、それは自分の首を絞めることにつながるからね。

 床田はグラブにこだわるぐらいだから、ゴールデングラブ賞を取りたいという意識の表れかもしれない。

 私も1986年にGG賞をもらったが、「取りたい」賞だった。だから常に捕球体勢を意識していた。姿勢を低くし、マウンド方向へ打ち返してきた打球は全部捕るつもりで身構えたもんです。

 これは自分の体を守ることにもつながるからね。青あざは絶えなかったけど、記者の人に悪いイメージをもたれることはなかったと思ってます。

 故障明けだけに床田には無理してほしくはないけど、首脳陣は当然昨年のような投球を期待しているはず。その期待に応える投球はもちろん、投ゴロを華麗に処理するグラブさばきも見たいね。

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