27日にセンバツ選考委員会 今年は地域性考慮を明文化 昨年は聖隷クリストファーの落選で物議

 27日に第95回選抜高校野球大会の選考委員会が開催され、出場校が決まる。今回は記念大会となり、出場校が例年より4校増の36校。過去10大会で4強以上に入った回数が多いことなどをもとに関東、東海、四国で増枠となった。

 一般枠の内訳は北海道1、東北3、関東・東京7、東海3、北信越2、近畿6、中国・四国6、九州4。21世紀枠は3校で、近畿大会を制した大阪桐蔭が昨秋の神宮大会で優勝したため、近畿地区が1枠増の7となる。

 昨年の選考会では重要な参考資料となる東海大会で準優勝した聖隷クリストファー(静岡)が選考漏れとなり、同4強の大垣日大(岐阜)が選出されことで全国的な議論を呼んだ。そのため日本高野連は大会後の4月にセンバツ改革検討委員会を設置し、議論を重ねてきた。元横浜高校監督の渡辺元智氏ら3人をアドバイザーに選任。大会理念に基づく選考の在り方などについて協議し、渡辺氏は「センバツはどのような大会なのか、あり方や理念について再確認し、わかりやすく説明する必要があるのではないかと考えております」とコメントしていた。

 昨年7月には選考過程の明確化を目指した「選考ガイドライン」を作成。その内容は次の通り。

 (1)大会理念の明示、として、『大会綱領』を策定し、大会の理念を明示したセンバツ大会についての歴史的経緯を踏まえたうえで、センバツという招待大会を開催する意義を確認するとともに、予選を持たないことや、野球を通じてフェアプレーの精神、友情、連帯を育むという大会の目的を広く伝えていくこと

 (2)選考過程の明確化、透明化

 【1】「選考ガイドライン」の作成

 大会綱領に基づく「選考ガイドライン」を作成し、選考に際しての評価ポイントを指し示す。

 【2】統一文書による意見表明 

 秋季地区大会後、全選考委員は統一した文書により意見を表明し、選考委員会地区別小委員会内で共有する。 (3)議事進行の進め方の確認

 これまでの選考委員会地区別小委員会での議事進行の流れを明文化し、選考委員および主催者で共有する。また、選考委員会当日のスケジュールを見直し、余裕のある会議運営を目指す。

 また「選考ガイドライン」には以下の評価ポイントが明記された。

 (1)秋季大会の試合結果、試合内容をもとに評価する、その割合は同程度とし、総合的に判断する。

 (2)試合内容については、投手力、打撃力、守備力、機動力など技術面のみならず、作戦の徹底、創意工夫、粘り強さといった試合運びや、フェアプレー、マナー、きびきび、はつらつとした動きといった野球に取り組む姿勢のほか、戦力のバランスやチームの潜在能力、大会を通しての成長ぶり、チームワークなども評価の対象とする。

 (3)複数の学校の評価が並んだ場合、できるだけ多くの都道府県から出場できるよう地域性も考慮する。

 これまで明文化されていなかった地域性を考慮することで、注目が集まりそうなのが近畿地区だ。

 昨秋の神宮大会を制した大阪桐蔭(大阪)、準優勝の報徳学園(兵庫)、4強進出の智弁和歌山(和歌山)、龍谷大平安(京都)は確実と見られる。8強に進出した履正社(大阪)、彦根総合(滋賀)、社(兵庫)、高田商(奈良)から3校が選出されるとみられるが、滋賀大会優勝で準々決勝の大阪桐蔭戦序盤にリードを奪った彦根総合、履正社は準優勝の報徳学園に終盤、突き放されながらも粘りを見せた。連戦となった準々決勝で智弁和歌山にコールド負けしながらも、1回戦で奈良1位の天理を打撃戦で撃破した社。高田商も初戦で京都1位の乙訓を完封で破っている。

 それぞれのチームにアピールポイントがある中で、近畿2府4県のバランスがどうなるか-。さらに関東、東京地区でも東京1校、関東5校目を選出した後に、両地区を比較して1校を決めることがアナウンスされている。

 昨年、物議をかもした東海地区の選考からさまざまな検討と改革を重ねて行われる27日の選考委員会。名物となっていた電話連絡が廃止されることで、候補に挙がっている高校はインターネット中継を見ながら“吉報”を待つことになる。

 昨秋の地区大会成績は以下の通り。

 【北海道大会】

 優勝・クラーク 準優勝・北海

 【東北大会】

 優勝・仙台育英(宮城) 準優勝・東北(宮城) 4強・能代松陽(秋田)、聖光学院(福島)

 【関東大会】

 優勝・山梨学院(山梨) 準優勝・専大松戸 4強・慶応(神奈川)、高崎健康福祉大高崎(群馬) 8強・作新学院(栃木)、昌平(埼玉)、横浜(神奈川)、山村学園(埼玉)

 【東京大会】

 優勝・東海大菅生 準優勝・二松学舎大付

 【北信越大会】

 優勝・北陸(福井) 準優勝・敦賀気比(福井) 4強・福井商(福井)、松商学園(長野)

 【東海大会】

 優勝・東邦(愛知) 準優勝・常葉大菊川(静岡) 4強・大垣日大(岐阜)、加藤学園(静岡)

 【近畿大会】

 優勝・大阪桐蔭(大阪)、準優勝・報徳学園(兵庫)、4強・智弁和歌山(和歌山)、龍谷大平安(京都) 8強・彦根総合(滋賀)、履正社(大阪)、社(兵庫)、高田商(奈良)

 【中国大会】

 優勝・広陵(広島) 準優勝・光(山口) 4強・高川学園(山口)、鳥取城北(鳥取)

 【四国大会】

 優勝・英明(香川) 準優勝・高松商(香川) 4強・鳴門(徳島)、高知(高知)

 【九州大会】

 優勝・沖縄尚学(沖縄) 準優勝・長崎日大(長崎) 4強・海星(長崎)、大分商(大分) 8強・西日本短大付(福岡)、明豊(大分)、東福岡(福岡)、日本ウェルネス(沖縄)

 【21世紀枠】

 稚内大谷(北海道)、由利(東北=秋田)、石橋(関東・東京=栃木)、氷見(北信越=富山)、木本(東海=三重)、小野(近畿=兵庫)、神辺旭(中国=広島)、城東(四国=徳島)、高鍋(九州=宮崎)

 ※21世紀枠は東日本から1校、西日本から1校を選び、残りの7校から3校目を選出する。

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