侍・栗山監督 WBC2増枠は投手で「厚み増して戦う」“15人目”宇田川に期待

 侍ジャパンのメンバーを発表する栗山監督(撮影・吉澤敬太)
侍ジャパン強力投手陣を形成する(左から)山本、ダルビッシュ、大谷、佐々木朗
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 侍ジャパンの栗山英樹監督(61)が26日、都内で「カーネクスト 2023WBC 東京プール登録予定選手発表記者会見」を開き、最終メンバー30人を正式発表した。栗山監督は前回大会より2人増えた登録枠を、そのまま投手にあてる形をとった。その意図や選んだ投手から見える投手起用の構想を、田中記者が解説する。

  ◇  ◇

 壇上の栗山監督は会見中盤、苦笑いしながら胸中を吐露した。「本当なら投手、捕手、野手ともう1人ずつ入れたいよ」。眠れぬ夜を過ごした。前回大会から2人増えた登録枠。起用法の幅が、結果的に頭を悩ませたが、最終的には投手2人を補充して色を出した。

 「日本の特徴である投手で、我慢して勝つと決めたのであれば、足りなくなることは許されない。厚みを増して戦っていくと、自分の中で決めました」

 就任当初から掲げたのは、投手力で抑えて勝ち切る野球。15人のうち、所属チームでリリーフ専門は5人で今季、抑えを担うであろう選手の湯浅、大勢、栗林、松井と4人をそろえた。左腕は4人と少ないメンバー構成となったが「ルール上、ワンポイントがない。特殊的な投手の枠が必要なくなった」と解説し、「左、右にこだわるよりも、球の良さで選ぶべきなんじゃないか」と思惑を語った。

 それだけに際立つのが宇田川の選出。“15人目の投手”として昨季途中まで育成選手だった男に懸けた。「選んだ後は、彼の生い立ち、苦労、過程の頑張りというのは、すごく魂が出しやすい形になっていくかな」としたが当然、選出理由は能力。最速159キロの直球と、鋭く落ちるフォークが武器で「特殊球を持っていて、球が強く、四球を出しにくい。結果を出してくれると信じては選ばせてもらった」と期待した。

 順当なら大谷、ダルビッシュに加え、山本、佐々木朗が先発枠。戸郷や今永、伊藤、宮城、高橋奎、高橋宏らは第2先発として、柔軟な適正があると信じて選出した。「全ての選手にいろんなことをやってもらう、勝つためにと伝えてある」と指揮官。世界に誇る最強投手陣で、並み居る強打者を封じるだけだ。(デイリースポーツWBC担当キャップ・田中政行)

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