侍・栗山監督の顔ににじむ疲労の色 命を削る61歳、世界一奪還の覚悟とは
野球日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督(61)が6日、デイリースポーツのインタビューに応じた。3月に開催される第5回WBCを前に、様々な準備に追われる指揮官。その表情からにじむ覚悟を取材を続ける担当記者が推し量った。
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昨年12月に続く単独インタビュー。時間に正確な栗山監督だが、珍しく3分遅れで始まった。「ごめんね、いろんな事が動いてて…」。恐縮する顔に疲労の色が濃くにじむ。61歳、サラリーマンなら定年の年齢。「監督生活の集大成」と位置づける今大会に向け、まさに命を削るように1日、1日を過ごす。
決勝まで7戦。143試合を戦うシーズンからすれば、一瞬の出来事に1年以上の準備期間がある。それでも「短い」と言う。ダルビッシュの言葉を借りると「もっと気軽に挑むべき」大会かもしれない。ただ、高校野球が人々の心を震わせるのは「負けたら終わり」の1試合に懸ける思い、情熱を人生に投影するからではないか。
「子どもたちに夢を」と、大谷らMLB選手の招集に野球界の未来を託し、ヌートバーの選出には「世界平和」のメッセージを込める。伝統継承と新たな可能性の提案。栗山監督は「日本野球の魂を信じる」と言った。侍ジャパンが届ける景色はどんなだろうか。命を削る61歳の姿に、世界一奪還の覚悟を見る。(WBC担当キャップ・田中政行)