侍J選出の日本ハム・伊藤大海 WBCに秘策あり 話題の超遅球が進化、本戦でも「投げます」

 ブルペンでトレーニングボール「MOI-75」を投げる伊藤(撮影・伊藤笙子)
 ブルペンでスローカーブを投げる日本ハム・伊藤=名護
 ロジンバッグではなく、マウンドの土を滑り止めがわりにする伊藤(撮影・伊藤笙子)
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 「日本ハム春季キャンプ」(8日、名護)

 侍ジャパンにも選出されている伊藤大海投手(25)が、ブルペン入りした。「もう戦いは始まっている」と本番モードでカーブ、ツーシーム、スライダー、フォーク、スプリットと7球種、28球投げた。9日には韓国サムスンとの練習試合(名護)にリリーフ登板する予定で、本戦を想定した“連投テスト”の意味合いを持つ。

 「例えば大会で肩を作って投げずに、次の試合とかってこともあると思うので。そういうイメージで2日連続で高い出力を保っていけるのかどうかというチェックをしたかったので、きょうはそういう形を取りました」

 9日に1イニングの予定で登板後、中4日を空けて14日に楽天との練習試合に登板予定。その後、15日に代表合流と青写真を描くが、本戦を前に“秘策”もある。この日はブルペンで4球、超スローカーブを試投した。昨季も4月2日のオリックス戦、杉本に対して82キロの遅球で遊ゴロに打ち取るなど、要所で投じてきたボール。球宴でも話題になった球だ。

 漫画のようなボールだが「意外と練習してたんですよ、ちゃんと。突発的にやっているわけじゃないです」と本人は至って真剣。「年々、(軌道は)高くなっている」と進化を明かす。「意外と向こうの試合を見ていると、そういう球に苦戦する選手って多くいる。確実に低めに投げられる自信があるなら、見せ球として使うのは、大いにあり得るかなと思う」と効果を明かし、本戦でも「まあ、投げます」と宣言した。

 9日は本戦でも対戦が予想される韓国チーム相手だが「普通に投げる」と言うと、「追いロジンくらいですかね、隠すのは」と、ちゃめっ気たっぷり笑う。出場した東京五輪でたっぷりと手にロジンを付ける行為に対し、相手チームから抗議を受け話題になったネタを引き出した。度胸とユーモア、探究心を併せ持つ25歳が、侍ジャパンのジョーカーになりそうだ。

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