“ダル塾”開講 G戦士らに直接指導「良くも悪くも自分の引き出しに入れてくれたら」
まさに仰天行動だ。侍ジャパンに選出されているダルビッシュ有投手(36)が、合宿前日にG戦士らと早くも“合体”した。キャッチボールでは大城相手に力強いボールを投げ込み、戸郷には直接握りの稽古づけ。充実ぶりが言葉に伝った。
「全く違う年代で、違う世界を見て育ってきている。そういう選手たちと一緒にプレーできるのは自分もアップデートできるし、すごくうれしいです」
日差しが差し込む前に、期待感を秘めながら球場入り。40分間の入念な準備を黙々と行い、大城相手のキャッチボールでは鋭い球を投じた。これには大勢や岡本らも思わず熱視線。その後は戸郷に変化球を伝授するなど、合宿前から異例の“ダル塾”開講となった。
話題のテーマは変化球。ツーシームやフォークなど、直接握り方や曲がり方、感覚などを伝えたという。真後ろからもボールの軌道も確認し、撮影された動画や画像を一緒になってチェック。最後にキャッチボール相手も担い、濃密な20分間を締めくくった。
有意義に過ごした時間を、ダルビッシュは「意見交換」と呼んだ。これまで培ってきた経験を伝える意図は、「良くも悪くも自分の引き出しに入れてくれたら」と説明。若手選手らに寄り添い、取捨選択は委ねていくダル流の考えを示した。
合宿前日から動き出した最年長ベテラン。15日にはチャーター機で宮崎入りするなど、懸ける思いもにじむ。「やっぱりチームなので。みんなで仲良く一緒にお互いを引っ張っていけたらいい」。目指すは世界一奪還。戦いはもう、始まっている。