古田敦也氏 臨時コーチ務めた大リーグキャンプで驚き「選手が瞑想しに来る」カウンセラー4人帯同で精神ケア
プロ野球ヤクルトで捕手として活躍した古田敦也氏(57)が4日、都内で行われたアスリートのキャリア形成を考えるシンポジウム「Athlete Career Challengeカンファレンス2023」にゲストとして登壇した。今春、大リーグ・ダイヤモンドバックスのキャンプに臨時コーチとして参加したばかりだが、チームのメンタルケア体制にカルチャーショックを受けたことを明かした。
古田氏はダイヤモンドバックスの臨時コーチを務めたが、キャンプにカウンセラーが4人帯同していたことに驚いたという。「マインドフルネスで、毎朝8時に選手の何人かが(カウンセラーのもとに)瞑想しに来る。競争が厳しく不安を抱えている選手が多いので」と報告。選手へのメンタル面のサポートも踏まえ「日本はカウンセラーはまだまだ少ないのでは」と、NPBへの参考にした様子だった。
また、ラグビーの東京サントリー・サンゴリアスで選手の総合的なケアをするPDMを務める小沼健太郎氏の事例を聞くと、「(日本プロ野球界は)遅れているかもしれない。(いい先例として)ぜひ成果を出してもらいたい」と期待を込めた。
プロ野球選手の引退後のセカンドキャリアについては、自身の現役時代の経験も踏まえ「クビになった選手は食えなくなるのがリアルな現状」と、路頭に迷うようなケースも少なくなかったと振り返った。特に昔の球界は、厳しい競争の中、現役中からセカンドキャリアについて考えることは良くないという雰囲気だったという。
古田氏が選手会長を務めていた約20年前、引退後のセカンドキャリアが問題化したため、12球団の現役選手を対象に企業などから講師を呼んで勉強会を実施したものの、実際に当日参加した選手は4人だけだったと述懐。「それが現実だった。一番の理由は、辞めた後のことを考えていることを球団に見られたくないから」と難しい側面があったことを振り返りつつ、「今は情報も増えて、次の人生を考える選手やOBに相談することも増えてきた」と語った。