健大高崎・女子マネ、元柔道強化選手から“転身”した衝撃の理由 左膝悲鳴も「壊れる前提でやっていた」
「選抜高校野球・2回戦、報徳学園7-2高崎健康福祉大高崎」(24日、甲子園球場)
健大高崎の記録員・伊藤利花子さん(3年)は、バリバリのアスリートから一転、高校から球児のサポートに務めている。中学2年時は、新潟県柔道秋の大会で5位となり、同県の柔道強化選手に。しかし、思わぬ挫折から新たな道を選んだ。
小学3年から柔道を始め、小学6年時になると左膝の成長痛に悩まされた。中学進学後も「壊れる前提でやっていた」と痛みに耐えながらも続けた。ただ、成長痛は中学2年になっても治らず、冬にはコロナ禍が直面した影響もあって、5位になった大会を最後に、柔道へ別れを告げた。
探した新たな場所。「やるなら強いところでやろうと思った」と、プロ野球が好きな父・伊藤毅さんの影響で高校入学後は、野球部のマネジャーになることを決断した。
裏方は初めてだったが、積極的にコミュニケーションを取った。「本人たちの言動だったり表情から掴み取ったりして、彼らに貢献したい」とこれまでのプレーする側から次はサポート役に徹した。
初の甲子園。独特の緊張感に襲われ、震える手でスコアブックを書いた。「手に力が入りすぎていつもより汚くなってしまった」と伊藤さん。最後の打者が中飛に倒れると、下部に2本斜線を引いてスコアブックを閉じた。
初戦敗退も「まずはありがとうと言いたい」と選手たちに感謝。ただ、まだ終わってはいない。「本番は夏なので、もう一度甲子園に連れてきてほしい。自分も精いっぱいサポートしたい」と笑顔で前を向いた。
チームは自慢の機動力を生かせず、盗塁はゼロに終わった。「なかなか珍しいスコアブックになりました。ワイルドピッチ、パスボールがあったらすぐ走るようなチームなので、そういったのが一個もないのは悔しかった」。打線が報徳学園投手陣に散発6安打に抑えられ「塁に出れば状況を変えられる強さを生かせなかった。ちょっとレベルが一個上だったのかな」と脱帽した。