オリックス・山下舜平大はバケモノ?野田浩司氏「今ひとつの出来であの投球」
「西武2-3オリックス」(31日、ベルーナドーム)
過去に1軍登板のないオリックス・山下舜平大投手(20)が開幕戦に先発。6回途中で降板したが、4安打、7奪三振の1失点で“大役”を果たした。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「今ひとつの出来で、あの投球ができるのだから末恐ろしい」と舌を巻いた。
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初めての登板が先発で、しかも開幕戦なのだから、普通なら口から心臓が飛び出すほどの重圧を感じるはずなのに、山下にはそういう雰囲気があまりなかった。期待通りの投球をして、実力通りの評価が得られたのではないか。
ただ、オープン戦のときほどの出来ではなかったようにも思う。ストレートもフォークも“今ひとつ”という感じでしたね。
彼のストレートはもっと力があるし、フォークのキレも物足りなかった。落ち着いているように見えても、さすがにリキみや緊張があったんでしょう。
そう考えると(この日最速156キロだった)球速がもう少し上がり、変化球も決まりだしたら、末恐ろしい投手になると思う。
(登板イニング数5回1/3で奪った三振7つの内訳はストレートで1個、フォークで3個、カーブで3個)
ストレートは序盤、シュート回転していたし、外崎ら何人かの選手に合っていたのが少し気になっていた。
フォークは三回一死一塁から、ペイトンに連続暴投で走者を三進させるピンチを招くなど、やや手に付いていないところもあった。
しかしこの状況からペイトンを、まったく頭になかったはずのカーブで空振り三振に仕留めたのは見事だった。森の好リードが光ったね。さほどキレていないフォークからカーブに切り替えたようだった。
高校を卒業してまだ3年目の山下だが、もともとはストレートと落差の大きいカーブが特長の投手。そこにフォークが加わったことで投球の幅が大きく広がった。
今春のキャンプで彼に会ったとき、「(球種は)この3つで行きます」と話していたが、確かに今はその3種類で十分かもしれない。
山下は投げ方がいい。ゆったりとしたフォームだからストレートが余計に速く感じるし、変化球でも同じようにしっかり腕が振れているからタイミングが合わせにくい。
この先、フォークの精度が上がってくるだろうから、それが決まりだしたら本当に凄い投手になる。
今後の登板についてだが、開幕投手の“心労”も考慮して一度、抹消してリフレッシュさせるかもしれない。
オリックスは1日先発予定の山崎福のほかに山本、宮城、山岡、田嶋、黒木ら先発スタッフはしっかりしているからね。極力疲労を溜めずに、余裕をもたせてローテーションを回していくのではないだろうか。
いずれにしろ、今後の登板が楽しみになる投手ではある。