ラオウ弾でオリックス13年ぶり開幕連勝 ファンの声出し“アシスト”に感謝
「西武2-9オリックス」(1日、ベルーナドーム)
高々と舞い上がった打球が左翼席へ伸びていく。長い長い滞空時間。白球がフェンスを越えると、一瞬の静けさから大歓声に変わった。オリックス・杉本裕太郎外野手(31)の今季初安打は決勝の先制2ラン。「まさか入ると思っていなかった」。照れくさそうに昇天ポーズを決めてみせた。
初回2死一塁。カウント1-1からエンスの内角直球にうまく反応した。「めちゃくちゃホッとしています」。開幕2戦目での初アーチ。21年は12試合目、22年は10試合目に待望の一発とスタートで出遅れがちの男が早くも目を覚ました。
昨季は3、4月に打率・133と苦戦し、年間通して悔しい結果に。そんな時でも、ファンは背中を押してくれた。「元気を出して頑張って」、「ラオウが必要」。励ましに奮い立った。
今季からは声出し応援が再開。右翼の守備では初回1死一塁で飛球が来ると、スタンドから「ハーフ、ハーフ」と一塁走者の状況を伝える声が聞こえてきた。「すごい助かりました。そういう声をもっとお願いします」とニヤリ。試合後のラオウコールには最敬礼で応えた。
チームは2010年以来、13年ぶりの開幕2連勝。新選手会長が勝利へと導いた。「切り替えてやっていけたら」。まだ2試合。それでも王者の風格すら漂っている。