ロッテ・佐々木朗希がさらに進化 野田浩司氏「奪三振記録の更新は可能性十分」
「ロッテ6-1日本ハム」(6日、ZOZOマリンスタジアム)
ロッテ・佐々木朗希投手(21)が圧巻の投球で1勝目を手にした。WBC帰りの今季初登板は6回を1安打、無四死球、無失点、奪三振数は毎回の11。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「投球の内容が昨年を上回っている」と語り、その進化ぶりに驚いていた。
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いやあ、まったく危なげなかった。昨年、完全試合を記録した佐々木だから、すごい投手なのは間違いないが、今年はさらにそれを上回っているように感じる。
この日は直球が少し高めに浮き、多少シュート回転するときもあったが、全体的にはこの“シュート回転のボール”が昨年よりも減っているイメージだった。
直球を“アウトローにズバッ”というよりも、威力でねじ伏せていったような印象。2打席とも3球三振だった清宮は6球のうち5球が空振りで、直球にもフォークにも圧倒されていましたね。
シュート回転が少なくなっているのは、侍ジャパンの一員として投げたWBCや強化試合での投球を見たときから感じていた。
このボールが出ると球威が落ちるし、体が開く分、フォークも抜け気味になる。そういう意味では今後、20奪三振も決して夢ではないでしょうね。
6回で投球数はちょうど80。最高球速164キロ。初登板ということで球数を交代の目安にしていたのだろうが、佐々木の素晴らしいところはスピードだけではなく、その制球力にもある。
昨年は奪三振率12・04に対して与四球率が1・60。それをさらに上回るような投球をされたら、どうしようもない。
それでも対戦チームとしては打ち崩さなければならない。そのためには先頭打者の出塁が大事になるでしょうね。塁上に走者がいればクイックが必要になるし、配球にも神経を使う。投げ急げばシュート回転になりやすい。そこに“スキ”が生まれる。昨年、ソフトバンクが見せた攻撃ですね。
初回にフルカウントから打った万波のようなパチンとコンパクトにはじき返す打撃。強振するとヒットを打つのは難しい。まあ、言うのは簡単だけどね。
千葉(ZOZOマリンスタジアム)は独特の風向きで投手にとっては常に向かい風。なので変化球はより効果的で、フォークはよく落ちる。
(野田氏、佐々木朗希とも19奪三振を記録したのは現ZOZOマリンスタジアム)
フォークを武器にする投手にとっては都合のいい風だけど、私はこの逆風を利用して、軽く抜いた直球を投げることがあった。するとボールが動くんですよ。試合前の打撃練習で、打たせるはずの打撃投手のボールが動いて「打ちにくい」という話を聞いたことがあったから。
さて、ファンにとって気になる奪三振記録。私は佐々木が、いずれ20以上の新記録を打ち立てる可能性は十分にあると見ている。なぜなら先にも触れた制球力。
昨今の球数重視の傾向から、私の19奪三振の記録はもう塗り替えられないのではと思った時期もあったが、佐々木の存在で考えが変わりましたよ。
球数が少なければ完投数は増えるはず。それだけ記録更新のチャンスも増えるということですからね。