ロッテ・黒木コーチ「あの驚きは間違っていなかった」 朗希を初めて間近で見た3年前のキャッチボール
「ロッテ6-1日本ハム」(6日、ZOZOマリンスタジアム)
ロッテ・佐々木朗希投手(21)が、日本ハム戦(ゾゾ)で今季初先発。6回を80球、1安打無失点と好投し、初白星を挙げた。最速164キロをマークした直球とフォークとのコンビネーションがさえ、11三振を奪う快投。チームは開幕3連敗からの3連勝で借金を完済した。
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21歳の若さでマリーンズを引っ張る佐々木朗に、黒木知宏投手コーチ(49)からは、感嘆のため息が漏れた。
「この選手はとんでもないと、改めて思った」
初めてキャッチボールを間近で見たのは、解説者時代の2020年2月。「足を上げて、踏み出す場所も戻ってくる場所も同じ。160キロ以上投げるピッチャーが、それだけのことができるのは本当に驚いた」と再現性の高さに目を見張った。
3年目に完全試合を達成。今では最速165キロの直球、ダルビッシュ直伝のスライダー、鋭く落ちる“宝刀フォーク”を操り、打者を翻弄(ほんろう)する剛腕に成長した。
黒木コーチは「人が投げられないボールはバッターも見たことがない。真ん中に投げておけばいい。全てゾーンの中で勝負ができる数限られた選手」と感服する。
日々、アップデートし続ける右腕。「野球に真摯(しんし)に向き合っている。今年(からコーチとして)見て、あの驚きは間違っていなかった」。新たな歴史を刻む“令和の怪物”に、限りない可能性を感じている。(デイリースポーツ・南香穂)