オリックス・山本 エースの1勝 無双ソフトバンク止めた!チームの連敗も止めた
「オリックス7-2ソフトバンク」(6日、京セラドーム大阪)
回を重ねる度に、表情は柔らかくなった。オリックスのエース・山本由伸投手(24)が凱旋(がいせん)登板。「とにかく勝ちたかったので、初回から飛ばしていきました」。チームの連敗は俺が止める。要所ではギアをさらに上げて、主導権を渡さなかった。
フッと息を吐き、快投の幕が開けた。初回はわずか9球で三者凡退。貫禄を見せたのは、二回1死一、二塁から。上林はフォークで3球三振。最後は今宮に対し、長い間合いからフォークで空振り三振。ピョンと跳ねた後、軽い足取りでベンチへ戻った。
5連勝中と好調の鷹打線でも関係なし。六回2死一塁からは、栗原を154キロの直球で見逃し三振に仕留め「よっしゃ」。6回を2安打無失点、6奪三振で今季1勝目。チームは今季初めて先発投手に白星がついた。
新フォームから最速158キロの直球にフォーク、カーブ。WBCの公式球からNPB球になっても、乱れることはない。「すごくいい感覚で投げられましたし、もっともっといい球を投げたい」。時折、雄たけびを上げるなど、気迫でも勝った。
19年に先発として、20試合に登板した。防御率は1・95。だが、8勝に終わった。打線の援護がなく、白星が遠い。それでも都城高時代の恩師にあたる森松監督にさらりと言った。「野手の方たちが守ってくれてるから、1点台なんです」。野手を責めるどころか、普段から感謝の言葉が口から出る。この日も宜保や茶野が攻守で救った。素直な心が周囲を動かし、自然と好プレーが生まれる。
WBCで世界一をつかみ、次なる目標はリーグ3連覇と2年連続の日本一。「本当に強い、素晴らしいチーム」と最大の敵はソフトバンクになりそうだ。まずは、エースが勢いを止めた。今年もオリックスの中心には、山本由伸がいる。