高卒5年目でプロ初星の巨人・横川 直訴して中日・涌井に弟子入り、朝から晩まで猛練習で開花
「ヤクルト3-7巨人」(23日、神宮球場)
巨人は高卒5年目の横川が通算7度目の先発で5回2失点と粘りプロ初勝利をつかんだ。大阪桐蔭時代に春夏制覇も、2度の育成経験した苦労人。昨オフに中日・涌井に弟子入りを志願して、新境地を開いた。
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危機感が行動となって現れた。昨季終了後、2度目の自由契約となり、育成からの再出発となった横川は動いた。「球界でトップレベルのすごい選手を肌で感じてみたい」。同僚で横浜高出身の育成・木下を通じて中日・涌井へ弟子入りを志願。年始から約20日間に渡り、寝食を共にしながら、一流イズムを吸収した。
涌井の自主トレと言えば、とにかく練習量の豊富さで有名。就寝間際まで宿舎の畳の上でシャドーピッチングを行い、フォームを確認するなど、体のケアも含めると、練習は1日12時間にのぼることも。「本当に朝から晩まで野球漬けで。そういう練習は今まであまりしたことがなかった」。猛練習で昨秋から大胆に改造していたフォームも瞬く間に自分のものとした。新境地へと導かれた左腕は春季キャンプで大幅に球速がアップ。育成契約から一気に開幕ローテをつかみ取った。
「涌井さんから学ぶことは山ほどあった。間違いなくそれが生きている」と横川。師匠への恩返しは、まだ始まったばかりだ。(デイリースポーツ巨人担当・畠山賢大)
◆横川 凱(よこがわ・かい)2000年8月30日生まれ、22歳。滋賀県出身。190センチ、98キロ。左投げ左打ち。投手。大阪桐蔭から2018年度ドラフト4位で巨人入団。20年11月4日・広島戦(マツダスタジアム)でプロ初登板。21年オフに育成契約、22年4月に支配下復帰。さらに22年オフにも育成契約となったが、今年3月に支配下復帰を果たした。