怪童の豪打「目に焼き付いてる」 長嶋さんら、中西さん悼む
「怪童」と呼ばれた強打者、中西太さんの死去が伝えられた18日、球界には悼む声があふれた。
元巨人監督の長嶋茂雄さんは「いつも私のことを気にかけてくださる心優しい先輩で、ふとしさんと呼ばせていただいた」と懐かしんだ。
1958年の日本シリーズで対戦。3連敗した西鉄が4連勝と逆転、3連覇を果たした。稲尾和久投手の活躍は語り草だが、中西さんは第5~7戦で本塁打。当時新人の長嶋さんは「今でもあの豪快なバッティングスタイルが目に焼き付いています」と敬意を表した。
ソフトバンクの王貞治球団会長は「野球界で怪童と言われるくらい野球のスケールを大きくした人」と振り返った。
中西さんは引退後は指導者として数々の球団に請われ、好打者を多く育てた。「小さな大打者」と呼ばれた若松勉さんはヤクルトのキャンプでの思い出を「旅館の座敷みたいなところで夜間にバットを振った」。
阪神の岡田彰布監督も教え子だった。「キャンプではスポンジボールで至近距離からティー(打撃)をやるのが毎晩の日課だった」と神妙な顔で話した。