ヤクルト・石川には近くて遠い?200勝への道のりも 野田浩司氏「芸術的投球は見ていて面白い」

 「日本ハム2-1ヤクルト」(30日、エスコンフィールド札幌)

 先発したヤクルト・石川雅規投手(43)は7回を2失点にまとめながら万波への2被弾が致命傷となり、今季2勝目を飾ることはできなかった。200勝まで「あと16」で足踏みが続くが、デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「芸術的な投球は見ていて面白い」とうなった。

 石川は打者に思うようなスイングをさせない投手。いろんな球種を駆使してタイミングを外してくる。遠いところへ。低いところへ。タイミングを外すのもうまいし、ストライクを取るうまさもある。これが経験のなせる技。ベテランの味というやつですね。

 牽制もうまい。三回一死一塁から3度続けて牽制球を投げ、うまく細川をつり出してアウトにしたが、投げている間に走る気配を感じ取ったんでしょう。これは“ワナにかかるな”と思ったはず。見事でしたね。

 球数も少なかった。7回で降板したが、86球は自分のペースで投げた証拠。8安打されたが、万波の2発を除いてすべて単打。そして無四球。今年は通算でまだ1四球しか出していないのだから、これも見事というほかない。

 ただ石川に対して、この日の万波は合っていた。変化球には空振りが目立ったが、直球にはタイミングが合っていた。初回の1打席目は初球のチェンジアップを空振りしたあとの直球を右前に運んだもの。

 四回の2打席目は初球の外角直球をうまく捉えた右翼へのソロアーチだった。六回はフルカウントから甘く入った内角の直球を左中間へ11号。万波1人にやられた感じだったね。

 実は万波は三回二死一塁の状況で“2打席目”を迎えていた。この打席は1、2球目のシンカー、チェンジアップに連続空振り。しかし、走者の盗塁失敗で打席を完了することなく終えていた。この目慣らしが六回の粘りにつながったのかな。変化球に対応できるようになっていた。

 石川は200勝まであと16に迫っている。大台到達は年齢的に簡単とは言えないが、22年もの間、堅実にローテーションに入って投げているという事実だけでも凄い。

 欠かせないのはバックの援護でしょう。石川の投球術は2、3点をリードして相手の焦りを誘えば、さらに生きるはずだ。

 最近の野球は速い球を第1ストライクからガンガン打っていくのが主流。それとは真逆のスタイルだけど、130キロそこそこのスピードで打者を翻弄するマウンドさばきは評論のしがいがあるし、芸術的投球は見ていて面白い。

 あとは援護射撃。ヤクルト打線に昨年までの元気がないのが気になるけどね。

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