今年３月に開催された第５回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）で、野球日本代表「侍ジャパン」を世界一に導いた栗山英樹監督（６２）が２日、都内ホテルで退任会見を開いた。今年５月末で任期満了。スーツ姿で壇上に立つと、まずは感謝の言葉を口にした。

　「まずは、短い期間なのか長い期間か分からないですけど、ジャパンの監督を務めさせて頂きました。みなさん、応援いただき、ありがとうございました」

　監督生活を「日々ＷＢＣの戦いを見据えて、毎日毎日一生懸命考えて。あれだけ必死になる環境を与えてもらって感謝していますし、なかなかあれだけ充実した時間はこれからもないのかなっていうくらい、充実していました」と振り返った。

　栗山氏は、２０２１年シーズンで１０年間務めた日本ハムの監督を退任後、同年１２月に代表監督に就任した。今大会ではエンゼルスの大谷、パドレスのダルビッシュら大リーガーの招集に尽力。過去、日本国籍を持たないヌートバーを選出するなど過去、前例のないチャレンジも織り交ぜた。野球界からも「間違いだ」と言われた。それでも「スポーツは国籍を超える。野球にもできることがある」と信念を貫き、１４年ぶりの世界一を導いた。