オリックス・宮城「先輩として」高橋宏との侍対決制す 2安打10K完封でチーム首位浮上
「中日0-5オリックス」(4日、バンテリンドーム)
マウンドでは涼しい顔。打席で猛烈に悔しがったかと思えば、適時打を放って少年のように喜ぶ。主役はオリックス・宮城大弥投手(21)だった。「先輩として、早く降りるわけにはいかない」。高橋宏との侍対決。最後まで投げ切り、勝利の輪の中心で笑っていた。
初回から快調に投げ進め、五回2死まで完全投球。「調子も良かったですし、いろんな球で勝負できた」。わずか2安打に抑え、今季2度目の完封勝利。最後は今季初の2桁奪三振で締め、余裕の表情でハイタッチした。
高橋宏との投げ合い。ともに無失点と白熱の投手戦だった。登板前日には仲良く談笑し、試合では高橋宏が、打席で宮城の登場曲を使用。「まさか使うと思っていなかった」と優しさに感謝。それでも、真剣勝負に変わりはなかった。
両軍無得点の七回には、2死満塁で打席が巡ってきた。それまで連続三振。何とかしようとバスターで食らいついたが、フルカウントから155キロ内角直球に空振り三振。「めっちゃ速かった」。振らなければボール。余計に悔しかった。
高橋宏に3三振と打ち勝つことはできなかったが、八回にはプロ初適時打。「バットに当たって良かった」。汚名返上の一打に、塁上では無邪気なガッツポーズが飛び出した。
チームは5月16日以来の首位浮上。ロッテは仲良しの佐々木朗で負けた。「彼もすごい投手。またすぐに抜かされるので、頑張りたい」。謙虚さは持ちながらも、秘めた闘志を感じる。左のエースが5勝目で防御率はリーグトップとなり、今季最多の貯金9。名古屋で上昇気流に乗った。