侍ジャパン・栗山前監督 全治3カ月の骨折だった源田は「ほとんどの指を骨折したことがあった」 涙のやり取り明かす

 3月に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、野球日本代表「侍ジャパン」を世界一に導いた栗山英樹前監督(62)が7日、都内で「第381回読売国際経済懇話会YIES講演会」に出席。「ドリーム・チームの創り方」をテーマに、メンバー選出の秘話などを明かした。

 講演では、韓国戦で右手小指を骨折した源田壮亮内野手との秘話を紹介した。病院での診断結果は「骨折で全治3カ月」。その夜、マネージャーから電話が掛かってきたことを明かし「いま源田と話したら、ほとんどの指を骨折したことがあるそうなんです。だから源ちゃん的に言うと、『指は全然、大丈夫なんです』」と、間接的に思いを伝えられたという。

 ただ、「僕は情に流されてはいけないし、勝つために決断をしなきゃいけない立場」と、翌日には本人と話し合いの場を持ったが「どう聞いても絶対に痛いと言わなかった」という。その上で「僕は10年間、ファイターズの監督をやらせてもらったけど、チームのために、組織のために命懸けでいく選手を作りたかった」とし、「源ちゃんみたいな選手を作りたかったんだけど、なかなかうまくいかなかった。どうすれば、こうなるんだ」と本人に聞いたという。

 その言葉に源田が初めて涙を見せ、日の丸に懸ける思いを明かされた。「その瞬間でしたガーって涙を流して。『監督、僕、ジャパンはオリンピックも選ばれたんですけど、ずっと試合に出てないんです。今回だけは絶対に試合に出るんだって決めてきたんです』って。その思いはすごく野球人としては理解できた」と振り返った。

 その思いをくみ取ることで離脱させず、「僕は源ちゃんの魂を借りた方がジャパンが勝つと思った。『源ちゃんの魂を使わせてもらう』」と伝え、チームに帯同させることを決めた。「源ちゃん、分かった。でもその代わり、俺、怪我したこと忘れるからねって言って」と当時のやり取りを明かしたが、源田はその後も正遊撃手として世界一に貢献した。

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