「ＤｅＮＡ５－３阪神」（２５日、横浜スタジアム）

　気合は十分だ。初回からグッと拳を握り、ＤｅＮＡのトレバー・バウアー投手が真っ向から向かっていく。悪いなりにも６回１／３を７安打３失点にまとめ、４４日ぶりの単独首位。「ハッシュタグ　ヨコハマユウショウ」。最高の景色に向かって叫ぶと、喜びを分け合った。

　０・５差まで迫った首位攻防戦。連勝とつないできた勝利のバトンは１勝ごとに重さを増した。「金曜日の今永、昨日の東と完投。今日はノーヒットノーランでもしないといけないんじゃないか。そういう、いいプレッシャーがありました」。自らで重責を課した。

　立ち上がりに１死一塁から、前川を内角のスライダーで空振り三振。小さくガッツポーズを作ると、苦しみながらもスコアボードに「０」を並べた。３点リードの五回には不運な適時打も重なって２点を失うも、同点は許さない。だが点差が３点に広がった七回にも追加点を許し、ピンチを背負ったまま降板。後続を抑えたウェンデルケンに感謝した。

　登板８試合目で初めて被弾なし。「ノーホームラン」と英語で上機嫌のバウアーは、阪神ナインに負けたくない理由があった。球宴ファン投票で自らを宣伝するなど呼びかけを続けてきたが、中間発表の最終回でも３位。阪神勢がジャックしている状況に、「なかなか阪神の選手にファン投票で勝つのは難しい。グラウンド上では勝ちたい」と笑顔で闘志を燃やしていた。

　今永、東とつないできた勝利のバトンは、バウアーが自身の５勝目で締めた。また貯金１２はリーグ優勝を果たした９８年以来という吉兆データもそろった。「＃横浜優勝」。有言実行へ。バウアーがその、使者となる。