オリックス・山本由伸 貫禄の今季初完投 WBCでダルビッシュから投球術伝授「幅が広がっている」

 完投勝利を挙げ、拳を握る山本(撮影・北村雅宏)
 お立ち台でポーズを決める(左から)紅林、山本、野口
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 「オリックス5-1西武」(8日、ほっともっとフィールド神戸)

 九回に再び名前がコールされ、ゆっくりとマウンドへ向かう。これが、エースの貫禄。オリックス・山本由伸投手(24)は最後の打者から空振り三振を奪い、余裕の笑みを浮かべた。「最初から調子は良かったので、最後まで目指して投げていました」。9回1失点の今季初完投でリーグトップの8勝目。強い風が吹く、雨上がりの神戸で相手打線を制圧した。

 初回1死では源田をオール直球で空振り三振。二回先頭の中村には全てフォークでバットに空を切らせた。八回は3者連続三振を奪うなど、今季最多の13奪三振。「強い球が多かったので、いい投球になったのかなと思います」。多彩な球種を自在に操り、打者に的を絞らせなかった。

 六回2死二塁から鈴木に中前適時打を浴びたが、最少失点でとどめる。高橋とは今季3度目の投げ合い。三度目の正直でエース対決に勝利した。

 今季8勝目でも、お立ち台で「パッとしない投球が多かった」と言った。周囲に助言を仰ぎ、若月とも配球を再確認。この日はカーブの割合を減らし、カットボールやシュートを随所で駆使した。WBCでダルビッシュから教わったのはコースの使い方。「すごい幅が広がっているなと思います」。内外や高低、直球に変化球、捕手のミットにズバズバと決まった。

 チームは連敗ストップで、首位のソフトバンクとはゲーム差なし。今季初の神戸での登板に「自分も楽しみにしていますし、気持ちを入れて投げました」。ファンは打ち上げ花火とエースの快投に酔いしれた。

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