海部8年ぶり初戦突破 前東洋大の杉本監督が初陣星「僕の運の強さです」 徳島大会

 「高校野球徳島大会・1回戦、海部10-1吉野川」(11日、オロナミンC球場)

 海部が七回コールドの快勝で2015年以来、8年ぶりに初戦を突破した。前東洋大監督で今年4月から指揮を執る杉本泰彦監督(63)にとっては夏の初陣星。「本当に良かった。就任3カ月で一つ勝てたのは実力どうこうより、僕の運の強さです」と笑顔を見せた。

 社会人の日本通運、西部ガスだけでなく、日本代表の監督経験もあるアマ球界の名将が還暦を過ぎて、母校・日和佐の流れをくむ海部で「僕の夢だった」という高校野球の指導者に転身した。4番・白草を含む1年生6人がスタメンに名を連ねる打線が、15安打10得点と爆発。指揮官も「打線はつないでくれたのがすごく良かった」とうなずいた。

 主将の岩沢平吾外野手(3年)は四回の右前適時打など2安打1打点と活躍。「新チームになってから『2勝する』と言ってきて、まず初戦勝てたことに安心しています。投手の松本がしっかり抑えて、エラーもなく、チャンスでしっかり打線がつながったのが勝因」と声を弾ませた。

 雨天順延の影響で開会式の8日を含め、4日連続で球場入り。岩沢主将は「延期になるまでは絶対に試合があるぞと言う気持ちを切らさずに、延期になっても絶対にあしたは試合があるという気持ちで、しっかり次の日のために帰ってからも素振りをしたり、練習をしたりして調整しました」と万全準備を強調。徳島県南部の海陽町からバスで往復約5時間の疲れも白星が吹き飛ばした。

 2回戦は中4日で名西が相手。「高校野球は負けたら終わりなので、単純明快で勝つために準備をするだけ。結果的に勝てばいい。反省することは反省するでしょうし、日にちが空くのでいい調整をして、次に勝つことだけを考えてやればいい。次も頑張ります」と杉本監督。人口減少が課題の海陽町の大きな期待も背に、17人しかいない選手が一丸となって夏2勝の目標をクリアする。

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