「高校野球千葉大会・２回戦、東京学館浦安９－３桜林」（１２日、柏の葉公園野球場）

　東京学館浦安が３回戦に駒を進めた。現役時代はオリックス、巨人で活躍したデイリースポーツ評論家の谷佳知氏（５０）と柔道女子４８キロ級で００年シドニー五輪、０４年アテネ五輪金メダリストの亮子氏（４７）の長男・佳亮外野手（３年）は「１番・右翼」で先発出場し、５打数無安打１四球。第１打席から、左飛、空振り三振、四球、三邪飛、投ゴロ、中飛だった。

　夏の公式戦初出場に「最後の夏ということもあって緊張感がでた」と谷。それでも、できることはやった。三回１死満塁で、３番・山田が中前適時打を放つと、二走の谷は５０メートル６秒１の快足を飛ばして一気に本塁へ。中堅手の失策を誘い、一走も生還した。

　最終打席となった九回１死走者なしの場面では、中堅手の頭を越えるかと思わせる飛球を放ち、「最後の方はちょっとずつあってきた」。無安打に終わっても、母であり、柔道界のレジェンド・亮子さんから「ポジティブ思考を教わってきた」と下を向くことなく、即座に次へと切り替えた。

　小中時代はアイスホッケーに精を出し、高校から本格的に野球を開始。２年秋から右翼手のレギュラーとして試合に出場した。努力してきた愛息の大舞台に両親も応援に駆けつけ、佳知氏は「３年間頑張ってきた結果が出せれば良い。楽しんでやっている」。亮子氏も「私の両親もこういう風に応援してくれたなと思い出しながら、サポートしています」と２人で声援を送った。

　前夜に「試合前なので」と験かつぎに亮子さん特製カツを食べた効果もあって、初戦を突破。谷は「打てなかったけど、チームがカバーしてくれて勝ちにつながった。千葉で１位を取って甲子園を目指す。長くて最高な、悔いの残らない高校野球の夏にしたい」と、次戦こそ快音を響かせる。