徳島商 プロ注目の森煌が自己最速更新149キロ センバツ出場の城東相手に1失点完投
「高校野球徳島大会・2回戦、徳島商4-1城東」(17日、オロナミンC球場)
今夏はノーシードで挑む徳島商が、今春センバツに初出場した第2シードの城東を下し、独自大会の2020年を含めて夏は6年連続8強進出を決めた。
1-1で迎えた八回、1死一、二塁から4番・吉田が右中間適時二塁打を放つなど、5安打で3点を勝ち越した。プロ注目の本格派右腕・森煌誠投手(3年)は先頭打者に四球を与えた四回に1点を献上したが、136球で5安打完投。奪三振10で、ギアを上げた最終回に自己最速を更新する149キロをマークする熱投だった。
「1点は取られたけど、それ以降は点を取られることなく抑えることができたので良かった」と振り返った。「今日はカーブとスプリットで空振りが取れていたので良かった。1失点は悔しいけど、ピッチング的には90点ぐらい」と自己評価した。
試合中の六回から両足がつっていた。しかし、六、七、八回はいずれも三者凡退。九回は1死から1安打されたが、自己最速タイの148キロに続き、149キロも計測。「だんだん足がつった状態に慣れてきた。最終回は力みが取れて、それで腕が振れて球速も出た」と説明。「次からは力みをできるだけなくして投げたい」とアクシデントから収穫を得た。
ネット裏ではセ・パ4球団のスカウトが視察。ソフトバンク・山崎スカウトは「甲子園に向けての城東戦ということで初回から気合が入っていた。自分が甲子園に連れて行くという気持ちで投げていた」と姿勢を評価。投球内容についても「自分の持ち味の球速をしっかり出した投球ができていた。将来の成長が楽しみ」と伸びしろにも期待した。
名門校で主将も務める大黒柱は「シード校に勝ったのはチームとして大きい。しっかり自信にして、今後につなげていきたい。あと3試合あるけど、上を見ずに一戦一戦、しっかり戦って勝っていきたい」と表情を引き締めた。センバツ出場を機に大きな自信をつけ、勢いに乗っていた難敵を突破。目標に掲げる2011年以来、12年ぶりの代表切符へまた一歩近づいた。