大船渡・佐々木怜希 兄・朗希の「1」背負って大活躍!七回コールド発進「ホッとした」
「高校野球岩手大会・2回戦、大船渡7-0盛岡農」(17日、きたぎんボールパーク)
岩手大会では大船渡が七回コールド勝ちで、初戦を突破した。ロッテ・佐々木朗希投手(21)の弟でエースの・怜希投手(3年)は「2番・中堅」で先発出場し、3打数1安打。三走として重盗で先制の本塁生還を果たすなど足でもかき回した。投手としては最終回の七回に登板し、自己最速を4キロ更新する143キロをマーク。夏の公式戦初登板を1回1安打1四球無失点で終え、役割を果たした。
打って、走って、投げて。兄・朗希も高校時代に背負った同じ「1」で躍動した。雨天順延により、当初から3日遅れた初戦。佐々木怜にとって待ちに待った夏が始まり、「早く試合を迎えたかった。まず1勝できてホッとした」とコールド発進に笑顔を見せた。
序盤から抜群の存在感を発揮した。0-0の四回、先頭で打席へ。「流れが悪かったので塁に出ようという気持ちだった」と2球目を振り抜いてチーム初安打となる右中間への二塁打で出塁した。その後、三塁に進み2死一、三塁で重盗。「1点が欲しくて必死だった」と50メートル6秒2の快足を飛ばして本盗に成功し、先制の生還で主導権を手繰り寄せた。
最後まで主役は譲らない。最終回となった七回には3番手でマウンドへ。「コールドになる点差で、準備があんまりできていなかった」と予定よりも早い登板に多少制球が乱れたが、自己最速を4キロ更新する143キロを連発。夏の公式戦初登板もきっちりスコアボードに「0」を刻み、試合を締めた。
1、2年時は遊撃を守っていたが、チーム事情により昨秋から投手に転向。「最初は戸惑ったけど、求められているのでやるしかない」と、練習に励んだ。元々の身体能力の高さもあり、今春からエースナンバーを背負う。「夏も1番を取ってエースとして投げたいと思っていた。強い真っすぐを投げて相手を打ち取る」と、エースとしての自覚を持って、右腕を振り続ける。
今大会前には兄から「頑張れ」とLINEでメッセージをもらった。さまざまなプレッシャーを感じながら迎えた高校最後の夏。「次も絶対勝って、勝って勝って甲子園に行けるように頑張りたい」と佐々木怜。どんな役割でも全うして、必ず岩手の頂点に立つ。
◆佐々木 怜希(ささき・れいき)2005年4月25日生まれ、18歳。岩手県陸前高田市出身。178センチ、72キロ。右投げ右打ち。投手。小3から猪川野球クラブで野球を始め、大船渡一中では軟式野球部に所属。大船渡では、1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒2、遠投100メートル。高校通算3本塁打。最速143キロ。兄はロッテ・佐々木朗希。