バウアーの球種予告投球に感じた「心意気」と「凄み」 谷佳知氏の視点

4回、万波にソロを浴び苦笑いするバウアー(撮影・山口登)
4回に登板し、失点はしたものの笑顔でベンチに戻るバウアー(右)。左は大城卓(撮影・中田匡峻)
4回、万波へ初球ストレートを告げるバウアー(撮影・伊藤笙子)
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 「マイナビオールスターゲーム2023・第2戦、全セ1-6全パ」(20日、マツダスタジアム)

 パ・リーグが万波中正外野手の2試合連続本塁打などで快勝。21年から5連勝で今年のオールスターを締めた。巨人、オリックスで活躍し、シーズン最多二塁打のNPB記録を持つ谷佳知氏がデイリースポーツの解説を務め、球種予告投球でスタンドを沸かせ、1回3安打2失点だったトレバー・バウアー投手について「投球テクニックに凄みを感じた」と称賛した。

 ◇  ◇  ◇

 バウアーの球種予告投球は見応えがあった。

 打者に事前に球種を伝えている以上、抑えるためにはより厳しいコースに投げ切ることや、投球フォームを微妙に変えてタイミングをずらすこと、あるいは変化球であれば相手の予想を超える変化量、軌道でバットの芯を外すことが求められる。そしてバウアーは実際にそれをやろうとしていた。

 万波、小深田に投じたナックルカーブはボールになったが、シーズン中以上の曲がりに見えた。数球投じたカットボールもより鋭さを感じたし、投球フォームの間も微妙に変えているように思えた。17日の広島戦で7回111球を投げてから中2日。万全の状態ではなかった中で、随所に高度なテクニックを交えてきている印象を受けた。

 球種予告というあえて自らが不利な状況を作ることで、オールスターを盛り上げようとしたバウアーの心意気が素晴らしい。そして何より投じた1球、1球にメジャーリーグでサイ・ヤング賞に輝いた超一流の「凄み」を感じた。

 打たれてもずっと笑顔が絶えなかったし、誰よりも本人がこの舞台を楽しんだのではないか。

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